2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysisi of oxidative stress-mediated postnatal neuronal development and behavior
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17K08564
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大歳 維知子 (西島維知子) 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (70600394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉崎 嘉一 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害モデル研究部, 主任研究員 (50393161)
中村 孝博 明治大学, 農学部, 専任教授 (00581985)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 神経発達 / セクレチン / 概日リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化ストレスの原因となる活性酸素種ROSは、脳神経細胞に障害を与える毒性因子として作用する一方で、細胞増殖等の生理的機能も持つことが知られている。申請者は、セクレチン受容体遺伝子欠損マウスで見られる社会行動異常が、抗酸化ストレス制御因子Nrf2遺伝子との二重欠損により、正常に回復することを見出した。そこで「酸化ストレス量の低下が シナプス形成等の神経発達に悪影響を与え、その結果として社会行動異常を生じさせる」という作業仮説を立て、セクレチン依存的な酸化ストレス応答遺伝子動態を解析してきた。2022年度では、最終年度として、研究成果を論文にまとめるため、データ解析ならびに執筆準備を進めた。 また、セクレチン受容体欠損マウスに対する酸化ストレスの影響を精査するため、行動の概日リズムに与える効果について解析を進めた。本研究は分担研究者である明治大学農学部生命科学科中村孝博准教授との共同研究により実施した。申請者らはセクレチン受容体欠損マウスの恒暗条件下での活動周期が有意に短縮することを2019年度までに明らかにし、同結果を本年学術論文として発表した。さらに、体内時計中枢である視床下部・視交叉上核の出力先として摂食制御に与える影響を精査するため、セクレチン受容体欠損マウスの摂食行動解析を実施し、セクレチン受容体遺伝子欠損マウスにおいても野生マウスと同様の給餌予知活動が認められることを見出した。本結果は、セクレチンシグナルが給餌予知リズムを司る食餌性概日振動体と強く関わっていないことを示唆しており、成果を学術雑誌に発表した。視床下部摂食中枢は、脳内において酸化ストレスの影響を受ける可能性が高い領域の一つであり、本申請研究を通して概日リズムから摂食行動へつながる一連の内分泌制御の一端を明らかにすることができた。
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Research Products
(2 results)