2017 Fiscal Year Research-status Report
非小細胞肺がん細胞の増悪進展におけるRor1-Rifシグナルの機能
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17K08634
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西田 満 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (30379359)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非小細胞肺がん / Ror1受容体型チロシンキナーゼ / フィロポディア / がん細胞増殖 / がん細胞浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ror1、Rif、SmgGDSの発現解析の結果、用いた6種類全ての非小細胞肺がん細胞株において、それらの発現が認められた。また、SmgGDSについては、607アミノ酸からなる全長のSmgGDS-607と558アミノ酸からなる スプライシングヴァリアント(SmgGDS-558)の発現が用いた全ての非小細胞肺がん細胞において検出され、また、どの細胞株においてもSmgGDS-607の発現がSmgGDS-558に比べて高かった。我々はRif結合タンパク質としてSmgGDSを同定しているため、次にRifのSmgGDS-607とSmgGDS-558への結合特異性について検討を行った。大腸菌の発現系を用いた作製したRifおよびSmgGDS精製タンパク質によるin vitro結合実験の結果、RifはSmgGDS-558とSmgGDS-607の両方に結合した。一方、培養細胞に過剰発現させたSmgGDS-558またはSmgGDS-607とRifとの共免疫沈降実験の結果、RifはSmgGDS-607と特異的に結合した。それらの結合には、RifのC末端側にあるpolybasic regionが必要であった。さらに、内在性タンパク質による共免疫沈降実験によってもRifはSmgGDS-607と特異的に結合することが示された。また、肺腺がん細胞株(PC-9)において、SmgGDS-607を特異的に発現抑制させた結果、フィロポディア形成能、増殖能および浸潤能が顕著に低下した。これまでの報告から、非小細胞肺がん細胞の増殖・浸潤にはSmgGDS-607 ではなくSmgGDS-558が重要であると考えられているが、本研究からSmgGDS-607がPC-9細胞におけるフィロポディア形成、増殖、浸潤に重要な役割を担っていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究により、RifがSmgGDS-607と特異的に結合することやSmgGDS-607がPC-9細胞のフィロポディア形成、増殖および浸潤に必須であることなどを明らかにし、論文作成に向けたデータが順調に得られていることから、本課題はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、SmgGDS-607がRifの活性や細胞内局在を制御するのかどうか、また、そのような制御がRifによるフィロポディア形成や細胞増殖・浸潤促進に関与しているのかどうかについて検討を進める。また、Ror1とSmgGDSとの結合の意義についても検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、PC-9細胞を主に用いて研究が進展したため、他の非小細胞肺がん細胞株での実験は殆ど実施しなかった。そのため、当初購入予定の消耗品を購入する必要がなかったため次年度使用額が生じた。平成30年度は、PC-9細胞以外の非小細胞肺がん細胞株での実験も行うため、その実験に必要な消耗品に当該次年度使用額を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)