2017 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of the functional significance of DUSP4 and its therapeutic application in colorectal cancers.
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17K08696
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
一万田 充洋 大分大学, 医学部, 客員研究員 (60770146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 雅史 大分大学, 医学部, 教授 (60315330)
衛藤 剛 大分大学, 医学部, 講師 (00404369)
白下 英史 大分大学, 医学部, 助教 (50596955)
守山 正胤 大分大学, 医学部, 教授 (90239707)
泥谷 直樹 大分大学, 医学部, 准教授 (80305036)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸癌 / DUSP4 / MAPK阻害剤 / 有効性予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では3年間の研究期間にDUSP4の発現低下に伴って活性化したMitogen-activated Protein Kinase (MAPK)パスウェイが治療標的になりうるか否かを検討する。具体的な研究目的は下記2点である。1. 大腸癌に対するMAPK阻害剤の有効性の検討 2. MAPK阻害剤の有効性を予測し得る因子の同定 平成29年度の進捗であるが、すでに明らかにしていた「大腸癌におけるDUSP4の発現低下は増殖能・浸潤能の亢進を促す」といった研究結果を論文化するためにreviewerから要求された追加研究を中心に行った。この過程で新たに①DUSP4の発現低下のメカニズムはメチル化や脱アセチル化のみでは説明ができないこと②DUSP4の発現が低下している細胞株にDUSP4を発現誘導すると増殖能・浸潤能が抑制されるが、これにDUSP4の影響を受けない活性化型変異ERK2を導入すると増殖能・浸潤能が回復することの2点を明らかにした。 追加実験を受けて「大腸癌におけるDUSP4の発現低下は増殖能・浸潤能の亢進を促す」ことを示した論文が日本癌学会雑誌であるCancer science(IF:3.974)に掲載された(Ichimanda et al, 2018 109(1):250-258)。我々が明らかにしていた結果が一定の評価を得たことは、本研究を続けていく上で非常に重要なことと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた研究計画は下記の3点である。 1. テトラサイクリン誘導性DUSP4発現大腸癌細胞株の樹立と機能解析 2. 同所移植モデルの作製とMAPK阻害剤の有効性の検討 3. 大腸癌細胞株パネルに基づくMAPK阻害剤の有効性予測因子の同定 前述の通り本年度は投稿論文の追加実験に終始したため予定していた研究計画は達成できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の発表論文で、浸潤した大腸癌におけるDUSP4の発現低下は、ERKの活性化を介して細胞浸潤能および増殖能の亢進に寄与することを示した。次年度は、この知見を検証するために免疫不全マウスを用いたヒト大腸癌細胞株同所移植モデルを作成する。 1.DUSP4低発現細胞株を用いてテトラサイクリン誘導性DUSP4発現大腸癌細胞株を樹立する。この細胞株についてDUSP4発現誘導後のERK活性化レベルや浸潤能、増殖能の変動をin vitroで調べる。 2.免疫不全マウスと樹立した細胞株を用いて同所移植モデルを作成する。テトラサイクリンを投与してDUSP4発現を誘導し腫瘍の形成や浸潤、転移の過程におけるDUSP4発現の意義を生体内で解析する。
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Research Products
(4 results)