2019 Fiscal Year Annual Research Report
Absolute quantification of amyloid precursor proteins using mass spectrometry
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17K08717
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堂本 裕加子 (新谷裕加子) 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30596961)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アミロイドーシス / アミロイド前駆蛋白質 / 質量分析法 / 絶対定量 |
Outline of Annual Research Achievements |
アミロイドーシスには原因となる約30種類の前駆蛋白質が報告されており、免疫組織化学的にアミロイド前駆蛋白質を同定することが一般的であるが、偽陰性や偽陽性により診断確定が困難なことがしばしば経験される。一部の施設では液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)も用いられるが、複数のアミロイド前駆蛋白質が検出され、判断に苦慮する場合もある。そこで、我々は12種類のアミロイド前駆蛋白質に由来する特異的なペプチド配列98種を選び、無細胞蛋白質合成系(PURE system)を用いてペプチド鎖を合成、同位体標識を用いたLC-MSを行って、アミロイド前駆蛋白質の絶対定量を行った。 結果、アミロイド前駆蛋白質11種類、53種のペプチド鎖の定量に成功し、免疫組織化学的結果との相関がみられた。血清アミロイドA蛋白(SAA)、トランスサイレチン(TTR)、β2ミクログロブリン(b2MG)を原因とするアミロイドーシス症例(AA、ATTR、Ab2M)では各々病型となるアミロイド前駆蛋白質が多く検出され、本手法によるアミロイド前駆蛋白質の同定が容易であった。免疫グロブリン軽鎖(kappa、lambda)に関しては、AL症例において原因となる軽鎖の検出量が十分ではなかったが、病型診断が可能であった。 また、病型に当たるアミロイド前駆蛋白質以外にも、共沈着していると考えられるアポリポ蛋白質が検出され、病型にあたるアミロイド前駆蛋白質の沈着量と正の相関を示していた。
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