2017 Fiscal Year Research-status Report
癌腫の肉腫様変化におけるSWI/SNF型クロマチン再構成因子の関与と治療戦略
Project/Area Number |
17K08722
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
孝橋 賢一 九州大学, 医学研究院, 講師 (10529879)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | SWI/SNF / 膀胱がん / 肉腫様変化 / ラブドイド様変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は様々な癌腫について組織学的検討を行い、肉腫様変化/ラブドイド様変化をきたしている癌腫を抽出していった。その中で今年度は、膀胱原発尿路上皮癌についての解析を実施した。 登録されている膀胱原発尿路上皮癌1189例を組織学的に検討したところ、10例の肉腫様変化あるいはラブドイド様変化を呈する腫瘍を認めた。それらに対し、SWI/SNFクロマチンリモデリング因子複合体を構成するSMARCB1/INI1, SMARCA4/BRG1, SMARCC1/BAF155, SMARCC2/BAF170, ARID1Aに関して免疫染色を施行した。 SMARCA4のみ欠失が2例、SMARCC2のみ欠失が1例、SMARCB1/SMARCA4/SMARCC2欠失、あるいはSMARCB1/SMARCA4/SMARCC1欠失が各々1例ずつ認められた。尚、これらは肉腫様変化/ラブドイド様変化をきたした部位での変化であり、従来の尿路上皮癌成分ではいずれの蛋白発現も保持されていた。 SWI/SNFクロマチンリモデリング因子複合体を構成する蛋白群の異常は、真の肉腫のみならず、大腸癌や腎細胞癌などの癌腫における肉腫様変化やラブドイド様変化でも報告がなされており、尿路上皮癌でも同様の結果を得ることができた。また、SWI/SNFクロマチンリモデリング因子複合体異常を認めなかった5例に関しても、その他の構成蛋白の異常などを介し、変化をきたしている可能性が考えられる。尚、肉腫様変化/ラブドイド様変化に付随している従来型の尿路上皮癌成分ではSWI/SNFクロマチンリモデリング因子複合体関連蛋白は保持されており、形態変化にこれら蛋白発現異常が関与していることが示唆される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去の文献上、癌腫の肉腫様変化、ラブドイド様変化に関して、SWI/SNFクロマチンリモデリング因子複合体の関与が示唆されている。今回の検討で膀胱がんについて、肉腫様変化/ラブドイド様変化という現象について、関与が示唆された。今回の結果は、過去の文献の考察および本研究の仮説を補強するものであり、おおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
様々な癌腫で肉腫様変化/ラブドイド様変化が認められている。それらについてもSWI/SNFクロマチンリモデリング因子複合体の関与が示唆され、来年度以降に検討予定である。概ね関与が示唆されることが判明したのちには臨床病理学的因子との対比を行う予定である。
|
Research Products
(30 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Association Between PD-L1 Expression and Metabolic Activity on 18F-FDG PET/CT in Patients with Small-sized Lung Cancer.2017
Author(s)
Takada K, Toyokawa G, Tagawa T, Kohashi K, Akamine T, Takamori S, Hirai F, Shoji F, Okamoto T, Oda Y, Maehara Y
-
Journal Title
Anticancer Res.
Volume: 12
Pages: 7073-7082
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-