2018 Fiscal Year Research-status Report
ランゲルハンス細胞組織球症―次世代シーケンサーを用いた新規バイオマーカーの解析―
Project/Area Number |
17K08743
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
村上 一郎 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (80548701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ランゲルハンス細胞組織球症 / RNA解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis 以下 LCH)の臨床検体を用いたRNA-seqによって、LCH-RO (-)およびLCH-RO (+)間の網羅的な遺伝子発現比較解析を行った。 その結果、LCH-RO (+) で造血器系の分化に関連する転写因子KLF1、GATA-1、LYL1 (lymphoblastic leukemia associated hematopoiesis regulator 1)の発現上昇がみられた。これらの転写因子の発現異常は造血器腫瘍の発がんに関わる。また、I型インターフェロンによって誘導されるIFI27(Interferon alpha-inducible protein 27 )の発現も上昇していた。 近年、乳癌や扁平上皮癌、肝細胞癌、漿液性卵巣癌、膿胸関連リンパ腫などの腫瘍でIFI27発現が上方制御されることが見出されており、腫瘍細胞の増殖や浸潤に関連していることが明らかとなっている。我々は、LCHは反応性病変の性格を有する腫瘍性疾患との発症メカニズムを提唱している。今回の結果はそれを支持するものとして矛盾しないと思われ、これらの遺伝子(KLF1、GATA-1、LYL1、IFI27)発現上昇は、LCHの増悪と関連する可能性があると考えられる。 尚、次世代シーケンサーを用いるmiRNAシーケンス解析(small RNA解析)は今回検索していない(今後の検討課題として計画はしている)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体を用いたRNA-seqによって、LCH-RO (-)およびLCH-RO (+)間の網羅的な遺伝子発現比較解析を行い、差異を見出す事が出来た。これまでの、進捗と同様の方向性を示すデータで我々の目指すランゲルハンス細胞組織球症の解明に向けて更なる進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で一段落したと考えられ、論文作成を進める。 また、LCH-RO (+) で造血器系の分化に関連する転写因子KLF1、GATA-1、LYL1 (lymphoblastic leukemia associated hematopoiesis regulator 1)、IFI27(Interferon alpha-inducible protein 27 )等の発現上昇メカニズムの探求も進める。 さらに、今回検索対象としていないsmall RNAの解析について、次世代シーケンサーを用いるmiRNAシーケンス解析についても推進を検討する。
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Causes of Carryover |
当初の予定を翌年度に持ち越して、論文作成、機器関連試薬購入等に用いる為。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Merkel cell polyomavirus and Langerhans cell neoplasm2018
Author(s)
Ichiro Murakami, Noriko Wada, Junko Nakashima, Mitsuko Iguchi, Makoto Toi, Yumiko Hashid, Tomonori Higuchi, Masanori Daibata, Michiko Matsushita, Takeshi Iwasaki, Satoshi Kuwamoto, Yasushi Horie, Keiko Nagata, Kazuhiko Hayashi, Takashi Oka, Tadashi Yoshino, et al.
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Journal Title
Cell Communication and Signaling
Volume: 16:49
Pages: 1-12
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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