2017 Fiscal Year Research-status Report
Induction of T cells by regenerative thymic microenviroment and the application for therapy
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17K08797
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
保坂 直樹 関西医科大学, 医学部, 研究員 (30388459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下埜 敬紀 関西医科大学, 医学部, 助教 (40632625)
神田 靖士 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70295799)
神田 晃 関西医科大学, 医学部, 講師 (70375244)
吉賀 正亨 関西医科大学, 医学部, 講師 (70434834)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 胸腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではin vitroにおいてマウス人工多能性幹(induced pluripotent stem、iPS)細胞から胸腺上皮細胞(thymic epithelial cells、TEC)を誘導し、胸腺微小環境を構築の下、非iPS細胞由来の造血幹細胞(hematopoietic stem cells: HSC)との共培養を行い、T細胞の誘導を目指すものである。これらのT細胞は腫瘍化への危険が低く、治療への応用が期待できる。まずiPS細胞からTECを誘導であるが、collagen type IVをコートした培養皿にてiPS細胞をLithium chloride, 2-mercaptoethanol(ME)存在下に培養する。適宜Activin A, Fibroblast growth Factor (FGF)7, FGF8, FGF10, bone morphogenetic protein (BMP)4を添加し、内中胚葉及び胚体内胚葉を経由してTECを誘導させる。HSCの精製は、まずマウスの骨髄細胞を大腿骨と腓骨から採取し、Ficoll密度勾配遠心法にて単核球を回収する。次にlineage marker陽性細胞を精製抗体にて反応させた後、magnetic beads法にて除去する。最終的に回収したlineage markers陰性細胞を、HSCとして使用した。これらのTECとHSCをサイトカイン無添加で培養すると、浮遊細胞数は軽度に増加したがCD3の発現は殆ど見られなかった。しかしリンパ球誘導性のサイトカインを加えると細胞数がさらに増加し、弱いながらもCD3の発現が見られた。しかしCD4やCD8のサブセットマーカーは殆ど見られず、CD4, CD8 double negative細胞におけるCD25, CD44の発現分化も強くは見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitroでのiPS細胞からTECへの分化は、転写因子の発現も確認した。また骨髄細胞からのHSCの精製は、HSCマーカーの発現の増強も認めた。これらの細胞の共培養まで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
誘導したTECとHSCとの共培養にてT細胞の誘導が不十分であった場合、サイトカインの種類や添加時期を変えてみる。さらに3-D培養や、抗原提示細胞の付加も検討する。
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Causes of Carryover |
In vitroでのTECへの分化が上手くいく場合といかない場合があり、後者の場合はHSCとの共培養は行わなかった。よって、当初の予定よりも試薬の購入は少なくなった。引き続きこられの共培養及びその解析を行っていく必要があり、翌年度分として請求する。
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