2019 Fiscal Year Annual Research Report
Immune evasion strategy of pathogenic fungi via inhibitory receptors
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17K08888
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三宅 靖延 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10392143)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レクチン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
Siglecは糖鎖末端のシアル酸を認識する受容体であり、主に免疫細胞の表面に発現しており、その機能は細胞間接着、免疫制御など多岐にわたる。多くは細胞質内にITIM配列を有し免疫細胞の活性化を抑制するが、一部はITAMアダプター分子と会合して免疫細胞を活性化する。Siglecのメジャーなリガンドであるシアル酸は脊椎動物に特有の糖であるが、一部の病原体はシアル酸を有し、Siglecと結合して宿主免疫応答に干渉することが知られている。我々は最近、Siglec5(抑制型)と14(活性型)が、水虫の原因となるトリコフィトン真菌を認識することを見出した。トリコフィトン真菌はシアル酸を持たないことが報告されおり、実際にシアル酸分解酵素で処理をしても、リガンド活性は変化しなかったことから、シアル酸以外のリガンドの存在が想定された。生化学的分画分析により、トリアシルグリセロールと直鎖アルカンにリガンド活性が見出された。Siglecがこのような脂溶性のリガンドを認識するという報告はこれまでになく、全く新しいタイプのリガンド発見となった。Siglecによる脂質認識という新規概念を拡充すべく、内在性脂質を中心にSiglec5と14のリガンドを探索したところ、広く脂質リガンドを認識することが判明し、特にcardiolipinと5-PAHSAに強いリガンド活性が認められた。両脂質リガンドは、ヒト単球系細胞株においてSiglec5を介して免疫抑制を、Siglec14を介して免疫活性化を誘導した。さらに、脂質リガンドの認識に重要な疎水性ドメインをSiglec5のN末側に見出した。Siglecが脂質リガンドを認識するという新たな発見により、Siglecの生理的・病理的機能の理解が新たな方向へと進展する可能性が期待される。
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[Journal Article] Identification of lipophilic ligands of Siglec5 and -14 that modulate innate immune responses.2019
Author(s)
Suematsu, R., Miyamoto, T., Saijo, S., Yamasaki, S., Tada, Y., Yoshida, H. and Miyake, Y.
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Journal Title
The Journal of Biological Chemistry
Volume: 294
Pages: 16776-16788
DOI
Peer Reviewed
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