2017 Fiscal Year Research-status Report
多施設共同研究による多職種連携教育の推進と縦断的評価
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17K08920
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山本 武志 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (00364167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 郁子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (10197767)
安部 博史 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (20344848)
山本 道代 北海道科学大学, 保健医療学部, 助教 (80736273)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IPE / 専門職連携教育 / 多職種連携教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高等教育でのIPE(専門職連携教育)を推進するため、医育機関及び医療施設の教育担当者を対象とした調査を行い、IPEを促進および阻害する組織要因を明らかにし、教育環境が学生の学びに与えている影響を明らかにする。これにより、IPE教育プログラムのモデル化・類型化を図ることで、本邦のIPE推進の一助となることを目的としている。 平成29年度の研究概要は以下の通りである。(1)先行研究等を参考に、高等教育の教育環境におけるIPE促進要因とIPE阻害要因について検討した。(2)医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護福祉士、社会福祉士の全養成校を対象にIPEの実施状況に関する調査を行い、各校の担当者からIPE促進要因とIPE阻害要因の認識について回答を得た。(3) 因子分析等からIPE促進要因とIPE阻害要因の概念構造を明らかにした。促進要因については、(A)個人の学習能力の向上、(B)専門職理解、の2つが挙げられた。阻害用については、(a)組織内での重要性の認識不足、(b)モデルプログラムの不在、(c)連携カリキュラムが作成できない、(d)連携できる施設が近隣にない、の4つの阻害要因が抽出された。(4)学校区分、養成している専門職の種別、開設年、現在のIPE実施状況、とIPE推進要因とIPE阻害要因の認識、との関係について検討した。その結果、IPEを実施しているまたは実施予定の養成校の担当者は、個人の学習能力向上をIPEの効果として捉えていた。また、開設年が早い養成校の担当者ほど、IPEを実施する障壁を強く感じていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高等教育の教育環境におけるIPE促進要因とIPE阻害要因の調査については予定よりも早く取り組むことができている。一方で、IPEの導入の先進事例や特徴的な事例の聞き取り調査については取り組みが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
悉皆調査によって得られた情報からIPEの導入パターンについて検討を加え、効果的なIPE導入の方法について検討を図る。それに基づきインタビューガイドを作成し、先進事例の調査を行う。また平成29年度の研究成果について論文化を図り、成果を広く公表する。
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Causes of Carryover |
今年度は養成校に対する調査が早まった分、先進事例に対する調査が遅れたため、次年度使用額は先進事例に対する調査の旅費として用いられる。経費内訳は以下の通りである:札幌ー東京(7万円×2人)、札幌ー大阪(7万円×2人)、札幌ー福岡(7万円×1人)、東京ー福岡(4万円×1人)
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