2019 Fiscal Year Annual Research Report
Media Doctor in Japan: to improve the public literacy about health care reporting by analyzing health care journalism.
Project/Area Number |
17K08928
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
渡邊 清高 帝京大学, 医学部, 准教授 (80422301)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | メディアドクター / 医療情報 / 健康情報 / ヘルスリテラシー / 研究成果の発信 / マスメディア / リスクコミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
海外の評価尺度および昨年度までの検討をもとに、新聞・雑誌・ネットメディア・ソーシャルメディアの医療健康報道を題材に、評価手法、指標の設定について妥当性、一致率および医療関係者の間との評価手法の検討を行った。10項目版の評価指標を基盤に、簡易的で情報の読み解き方を端的に伝える5項目版を試作し、評価および評価のしやすさについての集中的な議論を踏まえ、公開を行うとともに、妥当性評価を行った。(1)報道の評価手法の確立 臨床研究と公衆衛生の話題に関する報道(がん遺伝子パネル、生活習慣病、災害)をテーマとして、報道記事を用いた研修会を実施した。「適応可能性」「新規性」についての評価は高い一方、「科学的根拠」「弊害(副作用・コスト)」については評価が低いあるいは分かれる結果となった。患者と対象とする臨床試験、市民を対象とする低線量被ばく、検診・予防、社会的な議論が求められる話題など、読み手の問題意識や記事の目的によって求められる基準が異なること、技術革新や医療保険制度など社会的な視点を取り入れる必要性が明らかとなった。(2)公衆衛生版指標の試作と評価 低線量被ばくに関する報道を題材に、指標と評価手法を試作、21名の協力者を得て一致率と妥当性の評価を行った。(3)簡易版を用いた相互学習法の開発 簡易版を用いて、患者団体(予防と治療)、学会(がんゲノム)、図書館司書(臨床試験)を題材に、メディアドクター演習を実施した。記事の読み方や読み解き方、情報作成プロセスを踏まえた伝え方、評価活動の必要性、メディア向け学習機会の提案など好意的な感想が寄せられた。ヘルスコミュニケーション、リテラシー教育にも実践可能と考えられた。新型コロナウイルス感染症のリスクコミュニケーションをテーマに宇ウェブセミナーを開催、リスクの共有と伝え方、受け止め方について、立場ごとの視点の違い、対話と相互理解の必要性を共有できた。
|
Research Products
(11 results)