2019 Fiscal Year Research-status Report
Examing the possibility of using the national database in cost-effectiveness analysis of medical technology
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17K08931
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
渡邊 亮 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 講師 (90756173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 貴子 東京医科大学, 医学部, 講師 (00385105)
佐藤 大介 千葉大学, 医学部, 特任准教授 (10646996)
松村 一 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (80256263)
菊池 宏幸 東京医科大学, 医学部, 講師 (90783142)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 医療技術評価 / データベース研究 / 爪白癬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医薬品・医療機器の費用対効果評価におけるNDB(ナショナル・データベース)の活用可能性の検証と課題の抽出、NDB以外のデータの必要性の検討を行うことを目的として実施し、具体的事例として白癬菌抗原キット、及び主に乳がん手術後の乳房再建に用いられるティッシュ・エキスパンダー及びインプラントについて、NDBデータを用いて費用対効果評価を行う。公衆衛生上の大きな課題である公的医療保険財政の悪化を抑制し、限られた資源配分を行う手法として注目されている費用対効果評価をいち早く実施すること、またその分析にNDBという悉皆性の高い二次データを用いて実施する方法論を構築する点で独創的である。本来調査対象によって費用対効果評価研究の分析手法は異なるが、NDBを用いた標準的な分析手法を開発する点は政策的意義も大きい。 令和元年度は、白癬菌抗原キットの費用対効果評価について、NDBデータを受領した上でデータ分析を実施予定であった。なお、平成31年に研究代表者が研究機関を転出したことに伴い、NDBの保管・解析環境にも変更が発生したことから、改めて厚生労働省に利用申請をおこい、有識者会議の審査の結果、利用が承認された。しかし、令和元年度中には個票データの抽出・提供が行われなかったため、分析が実施できなかったことから、本年度は大規模データの取り扱いに関する手法の検討および関連する先行研究について追加的に調査を行った。 また、乳がん手術後の乳房再建に用いられるティッシュ・エキスパンダー及びインプラントについては、乳がん手術後の患者のQOL測定に向けて準備を行っていたが、インプラントに関する安全性についての重大な問題が生じ、倫理的な観点から調査の実施が困難であったことから、実施を見送っている。上記の事象を踏まえ、科研費補助事業期間延長承認申請を行い、令和2年度の実施に向けた準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者の所属が異動したことにより、NDBの保管・解析のための環境再構築及び利用申請を再度実施した。また、NDBの提供が認められた後も令和元年度中にデータの提供が行われなかったため、課題の進捗が遅れている。しかし、保管・解析環境はすでに構築が終了しており、また令和2年4月中にデータの入手が見通されることから、令和2年度にはデータの入手と共に解析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
NDBデータの受領を踏まえて、すでに準備を行っているデータベースへのデータの取り込みおよび統計解析を実施する。また、その結果についてとりまとめを行った上で、成果を学術論文等にとりまとめ、発表を行う。 一方、乳がん手術後の乳房再建に用いられるティッシュ・エキスパンダー及びインプラントに関する調査は、特に乳がん手術後の患者のQOL測定について、平成31年度にインプラントに関する安全性についての重大な問題が生じたことに加え令和2年度に発生した新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療機関内におけるQOL調査が困難な可能性があるため、状況に応じて医療機関における患者対面調査と別の方法(例えばインターネットを用いたアンケート調査など)により、QOL調査を実施することを検討する。
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Causes of Carryover |
令和元年度中にナショナルデータベースの提供が行われず、解析のタイミングに遅延が生じたことに伴って、解析に伴う費用や結果報告に必要な経費の執行が遅延している。次年度、研究の遂行と研究結果の発信に伴って、研究費の執行を行う予定である。
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