2018 Fiscal Year Research-status Report
脂肪分解酵素を介する内因性ジギタリス物質の産生機序の関与と高血圧発症機序の解明
Project/Area Number |
17K08997
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
吉賀 正亨 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70434834)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 直樹 関西医科大学, 医学部, 研究員 (30388459)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 内因性ジギタリス様物質 / マリノブファゲニン / マリノブフォトキシン / エステラーゼ / ELISA / HPLC |
Outline of Annual Research Achievements |
内因性ジギタリス様物質(EDLF)はナトリウム代謝を介して高血圧発症に関わると考えられている.しかし産生分泌機序が解明されていないため十分な研究が成されていない.EDLFの中でマリノブファゲニン(MBG)とMBGにスベロイルアルギニンがエステル結合したマリノブフォトキシン(MBT)は高血圧発症に強く関係している.しかしMBTとMBGの関係は全く解明されておらず、生体内のどのようなエステラーゼをはじめとするどのような酵素がMBTのエステル結合の分解に関与しているのかまったく解明されていなかった。 今回、標品のMBT(1mg/ml)にトリプシン(1ng/ml、10μg/ml)、組織型プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)(1unit、50unit)、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(u-PA)(400unit)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)(5mUnit)、カリクレイン(1unit)をそれぞれ添加し、37℃で1時間、24時間後にエステル結合の分解により生じたMBGを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて溶出時間ごとに分離しELISAを用いて各分画のMBG様免疫活性物質をenzymelinkedimmunosorbent assay ELISAで測定すればMBGとMBTを両方同時に定量することが可能である。本方法を用いたところ、各酵素で薬理学的な添加量で24時間反応後にはMBGの産生がみられた。昨年に引き続き、反応条件を検討を行ったが生理的範囲内ではMBGの産生はみられなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本検討方法であるHPLCは1検体測定に時間がかかることと測定後カラムの安定化の時間が必要なため1検体の測定に時間を要する。 基質であるMBTと各種酵素のバランスや反応時間についてのデータがなく、適時調整しながらの進行であるため時間を要している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今まで行ってきた各酵素の薬理学的検討に加え、ホルモン感受性リパーゼの関与の検討について同様の方法を用いて行う予定である。またMBTだけでなく同様にエステル結合をもつtelocinobufotoxin(TCT)についても同様の検討をおこなう予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度、当初予定より消耗品の使用量が少なかったため、来年度分とあわせて使用し、最終年度であるため、最終年度計画に基づき使用する予定である
|
Research Products
(3 results)