2017 Fiscal Year Research-status Report
圧縮センシングを用いた新しいSPECT画像再構成法の開発
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17K09069
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
松友 紀和 杏林大学, 保健学部, 講師 (90781237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 雄幸 杏林大学, 保健学部, 教授 (30269542)
山本 智朗 杏林大学, 保健学部, 教授 (30433600)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 圧縮センシング / 短時間収集 / ドパミントランスポータSPECT |
Outline of Annual Research Achievements |
圧縮センシングは,不十分なサンプル数のデータから原信号を復元する技術であり,MRIやCTではその有用性について研究が進んでいるが,SPECT画像再構成に応用した報告はない.本研究では,圧縮センシングを用いたSPECT画像と従来の画像再構成法による画像を比較し,圧縮センシングの適応性を検証した.また,投影データ数を減少させたデータを用いてSPECT画像を作成して画質を評価した. ①トータルバリエーション(TV)を用いたSPECT用圧縮センシング画像再構成プログラム(TV-recon法)の構築を行い,従来から臨床で用いられている画像再構成であるFBP法と逐次近似画像再構成(MLEM法)から得られるSPECT画像を比較した.対象とした画像は,十分なスパース性を持つと考えられるドパミントランスポータSPECTとした.比較の結果,TV-recon法により得られるSPECT画像は,従来の画像再構成法から得らえる画像を大差ないことが確認できたため,圧縮センシングはSPECT画像再構成に使用できると判断した. ②圧縮センシングの最大の利点は,不十分なサンプル数(投影データ数)から原画像を復元できることにある.そこで投影データ数を少なくして圧縮センシングによる画像再構成を行い,画質を保つことができる最小投影データ数を求めた.対象はドパミントランスポータSPECTで,ガイドラインで推奨されている120方向から90,60,45,30方向と減少させて投影データを作成した.作成した投影データに対してTV-recon法で画像再構成を行い,空間分解能,均一性,コントラスト,濃度直線性を比較した.その結果,TV-recon法は従来の1/3まで投影データ数を減少させることが可能であり,検査時間の短縮が可能であることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,①SPECT画像再構成に対する圧縮センシングの応用,②投影データ数を減少させたSPECT画像の評価が終了した.また,①については研究会(国内)で発表を行った.②については国際学会(2018年6月)に発表予定である.また,①②をまとめた論文を作成し,投稿準備中である.
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Strategy for Future Research Activity |
圧縮センシングは,ランダムにサンプリングされたデータに対して効果を発揮する.今回検証したデータは均等にサンプリングされたデータに対して検証を行ったため,十分に圧縮センシングの効果を発揮できていない可能性がある.今後の方針として,投影データを「ランダムに減少させて」検証を行い,さらに少ない投影データ数での画像再構成をめざす.
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Causes of Carryover |
コンピュータシミュレーションデータを使用したため,放射性同位元素の購入は計画よりすくなく,また,ドパミントランスポータシンチグラフィのみを対象としたため. 次年度は対象を心筋シンチグラフィや骨シンチグラフィに拡大する予定.
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