2017 Fiscal Year Research-status Report
メンタルヘルスの問題が、がん検診受診行動および喫煙行動に与える影響の解明
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17K09112
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
稲垣 正俊 岡山大学, 大学病院, 講師 (60415510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 雅樹 岡山大学, 大学病院, 医員 (20747951)
山田 了士 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (10240029)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん検診 / 喫煙 / たばこ / 精神障害 / 心理的苦痛 / うつ / 健康格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. メンタルヘルス上の問題を抱える人々の各種がん検診受診率を明らかとする。また、その受診率と関連する人口動態的要因、社会経済的要因を明らかとする 統計法第36条に基づき、厚生労働省から平成22年国民生活基礎調査の匿名データ(N=93,730)の提供を受けて、K6によって評価した重度の心理的苦痛(K6スコアが13点以上)と過去1年間の大腸・胃・肺がん検診受診、過去2年間の乳・子宮頸がん検診受診との関連を横断研究デザインにて調査した。その結果、重度の心理的苦痛を抱える者はそうでない者と比較して、過去1年間に大腸・胃・肺がん検診を受診した者が有意に少なかった。また、教育歴、婚姻状況、就労状況によって心理的苦痛とがん検診受診との関連に違いがあるかを解析したところ、教育歴が有意な修飾効果を有し、教育年数が相対的に短い場合に、重度の心理的苦痛ががん検診未受診と関連した。学会、査読付き英文誌において本結果を公表した。
2. メンタルヘルス上の問題を抱える人々の喫煙率等の喫煙状況を明らかとする。また、その禁煙状況と関連する人口動態的要因・社会経済的要因を明らかとする 心理的苦痛と現在の喫煙状況との関連を報告した文献をレビューし、欧米、アジアにおける先行研究の結果、課題について整理した。1.と同様に、平成22年匿名データを使用した解析を済ませ、結果公表の準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. メンタルヘルス上の問題を抱える人々の各種がん検診受診率を明らかとする。また、その受診率と関連する人口動態的要因、社会経済的要因を明らかとする 予定した、平成22年匿名データを用いた解析を実施し、査読付き英文誌において公表され、プレスリリースも行った。
2. メンタルヘルス上の問題を抱える人々の喫煙率等の喫煙状況を明らかとする。また、その禁煙状況と関連する人口動態的要因・社会経済的要因を明らかとする 予定した、平成22年匿名データを用いた解析を実施し、結果公表の準備が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度内に、平成25年に実施された国民生活基礎調査の匿名データが利用可能となる予定である。利用可能となり次第、平成19年、平成22年、平成25年データを利用して、心理的苦痛とがん検診受診及び喫煙との関連について、経時的変化についても解析を進める予定である。複数の専門家との意見交換、フィードバックを受けて研究を進める。
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Causes of Carryover |
平成25年度に実施された国民生活基礎調査の匿名データの利用可能となる日が予想より遅れているため、その費用の繰り越しが生じたが、研究計画に大きな変更はない。 当初の予定通り、平成19年、22年、25年のデータを入手し、解析に必要なソフトウエアの費用とともに、研究打ち合わせ及び成果発表の旅費に支出する予定である。
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Research Products
(4 results)