2018 Fiscal Year Research-status Report
整形外科領域における手術部位感染予防に関する多施設共同研究
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17K09151
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
時村 文秋 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80242147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 剛 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50376480)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 手術部位感染 / 清潔手術 / 整形外科 / 他施設共同 |
Outline of Annual Research Achievements |
整形外科領域の手術部位感染(Surgical site infection:以下SSI)は、非感染例の10倍近くの治療費がかかり、長期間の治療が必要となり、四肢の機能的予後や、患者の日常生活の質を著しく低下させる。SSIを制御するためには予防こそ最大の戦略であり、どのような手術でどのような患者が感染しやすいかを把握することが第一歩である。しかし、国内でこのような情報を系統立てて収集した研究は枯渇している。したがって、多施設共同SSIデータベースの構築と大規模な検証的研究が急務である。本研究は、整形外科に特化した良質な大規模データを分析することで、清潔整形外科手術の実態に即したSSI危険要因を明らかにし、その成果を診療に反映させることを目的とする。本研究を通して得られた結果から、より的確なSSI対策が可能になると期待される。 我々は、2013年より、東京都プロジェクト研究(清潔整形外科SSIサーベイランス)として、都立広尾病院、多摩総合医療センター、都立墨東病院、都立駒込病院、関東労災病院、横浜労災病院、当医療センターの7施設が中心となって、術野汚染菌リスクと多施設共同SSIデータベースの構築を開始した。データベースは2013年11月以来、昨年までの時点で10000件以上を登録、全体の追跡率は95%(1ヶ月評価)を達成し、さらにその95%以上の症例で、医師が直接評価しており、極めて良質なデータとなっている。 清潔骨折手術・人工関節手術・脊椎手術における30日継続入院リスクの探索などを行い、また清潔脊椎手術の SSI リスクにおいて手術時間は最も重要なリスク因子であることなどを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
整形外科領域の手術部位感染(Surgical site infection)に関して、抗菌薬の投与期間に焦点を合わせた前向き無作為化比較対照試験(randomized controlled trial)の環境整備をおこなった。整形外科清潔手術を受ける患者を対象として、術後の予防的抗菌薬投与を24時間と48時間に分け、どちらの予防効果が適切か評価するプロジェクトを立ち上げ、5病院での検証を行うべく、多施設共同SSIデータベースの構築・それぞれの病院での倫理委員会での承認・賠償責任保険(臨床研究保険)への加入・UMIN臨床試験登録などを行い、臨床試験開始の準備を整えた。2018年5月から2018年12月にかけて、1000例以上の登録を行い、現在、統計的検証を行うべく、データを蓄積している。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年5月から5病院(都立広尾病院、関東労災病院、都立駒込病院、多摩総合医療センター、当医療センター)にて、術後の予防的抗菌薬投与を24時間と48時間に、施設ごと・期間ごとに振り分け、手術後30日以内に起こった術後合併症について、手術部位感染を中心に多施設共同SSIデータベースに登録した。統計学的な検証を行うために少なくとも1000件以上の登録必要であったが、2018年12月末で必要登録件数に達したため、登録作業は終了とした。現在正確できれいなデータ(術後30日までののフォローアップ期間)を確認・クレンジングを行ったのち、統計学的な検証を様々な視点から行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
(次年度使用額が生じた理由)実験計画が順調に進んでおり、不必要な研究費の支出を必要としなかったため。
(使用計画)データベースの維持と管理・解析結果や電子資料のプリントアウト等に使用予定。本研究の研究領域が広く、様々な学会や研究会等での報告や意見交換を通した研究内容の洗練が不可欠であるため、国内での成果発表および調査研究・連携病院間での定例会開催のための費用に使用する予定。また、これまでの成果を海外での発表の費用・旅費に使用する予定。発表英文論文校正費用や掲載費用に使用する予定。
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[Journal Article] MRSA-SSIの予防、診断と治療2018
Author(s)
山田 浩司, 岡崎 裕司, 田尻 康人, 時村 文秋, 山川 聖史, 松本 卓也, 金井 宏幸, 三上 容司, 苅田 達郎, 松下 和彦, 田中 栄
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Journal Title
日本整形外科学会雑誌
Volume: 92巻3号
Pages: 1144
Peer Reviewed
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[Presentation] Evaluation of Metal Artifact Reduction Software in PET Quantification for Artificial Knee Joint; Phantom Experiment2018
Author(s)
Takashi Ono, Kei Wagatsuma, Nozomi Ito, Kaiho Miyazaki, Tsuyoshi Miyazaki, Yutaka Suzuki, Yoshiro Kudo, Yasushi Unno, Masashi Kameyama, Yasushi Unno, Masashi Kameyama
Organizer
The 12th Congress of the World Federation of Nuclear Medicine and Biology
Int'l Joint Research
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