2020 Fiscal Year Annual Research Report
Practical Application of Cancer Suppressor BAP1 Activity as a Biomarker for Malignant Mesothelioma
Project/Area Number |
17K09157
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
伊藤 達男 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80789123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 憲次郎 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40752374) [Withdrawn]
江口 依里 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60635118) [Withdrawn]
荻野 景規 高知大学, 医学部, 特任教授 (70204104) [Withdrawn]
大内田 守 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80213635)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 悪性中皮腫 / BAP1 / NHEJ / DNA-PKcs |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の背景:BRCA1-associated protein 1 (BAP1)は,悪性胸膜中皮腫をはじめとするさまざまながんにおいて,主要ながん抑制遺伝子として注目されている。また,DNA損傷に応答する相同組換えの必須因子としても同定されている。しかし、非相同末端結合(NHEJ)における役割はまだ明らかにされていない。 研究計画:BAP1の不活性化変異を発現させた細胞を用いて、DNA損傷修復におけるBAP1の役割を評価した。質量分析を用いて、DNA 損傷修復経路における BAP1 の相互作用パートナーを明らかにした。また、BAP1を標的とした治療法と放射線治療との併用の有効性を検討した。 研究結果:BAP1の不活性化は、Met-5Aヒト中皮細胞およびヒトMPM細胞株の両方において、DNA損傷の増加と関連していることがわかった。プロテオミクス解析により、MPM細胞および293T細胞において、PRKDCがBAP1タンパク質複合体の相互作用パートナーとして同定された。PRKDCは、DNA修復のNHEJ経路で機能するDNAプロテインキナーゼ(DNA-PKcs)の触媒サブユニットをコードしている。二本鎖DNA損傷を受けたMPM細胞では、BAP1が顕著に核内で発現し、BAP1の395番目のセリンがリン酸化されていた。プラスミドを用いたNHEJアッセイでは、BAP1のノックダウンが細胞のNHEJ活性に有意な影響を与えることが確認された。X線照射とゲムシタビンの併用療法は、BAP1欠損細胞の増殖を強く抑制した。 結論:本研究は、BAP1がDNA-PKとの相互作用を介して二本鎖DNA修復のNHEJ経路に関与していることを示しており、MPMのようにBAP1の不活化が頻繁に起こる癌にとって、標的となりうるDNA修復の脆弱性を露呈している。
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Remarks |
https://itolaboratory.com
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