2017 Fiscal Year Research-status Report
Psychophysiological effects of snoring
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17K09305
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Fukuoka National Hospital |
Principal Investigator |
古川 智一 独立行政法人国立病院機構福岡病院(臨床研究部), その他部局等, 科長・医長 (70617365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 力 福岡大学, 医学部, 准教授 (20511885)
安藤 眞一 九州大学, 大学病院, 特別教員 (90575284)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イビキ / 日中の眠気 / 睡眠呼吸障害 / 心身医学 / 睡眠医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、睡眠時無呼吸症候群疑いの対象群において、イビキ音強度と日中の眠気との関連について検討した。 睡眠時無呼吸症候群を疑い、国立病院機構福岡病院にて終夜睡眠ポリグラフィー(PSG; polysomnography)を施行した患者1274名を対象とした。主観的な眠気の評価にはEpworth sleepiness scale (ESS)を用いた。イビキ音強度は、騒音計を用いてPSGと同時に測定された睡眠中の空中音強度の上位1パーセンタイル値(L1)を用いて評価した。イビキ音強度L1とESSとの関連について、交絡因子として、年齢、性別、BMI、無呼吸低呼吸指数(apnea hypopnea index; AHI)、睡眠時間における血中酸素飽和度90%未満の時間の割合(CT90; percentage of cumulative sleep time with oxygen saturation <90% )、睡眠時間を調整した重回帰モデルを用いて検討した。さらに、年齢によって、対象を3分位で分類(若年群、中年群、中高年群)し、これらの3群において、L1とESSとの関連について検討した。全対象、若年群、中年群、中高年群において、L1はESSと有意な相関を認めた。全対象における重回帰分析では、交絡因子を調整後もL1とESSとの独立した関連を認めた。中高年群における重回帰分析では、交絡因子を調整後もL1とESSとの独立した関連を認めたが、若年群および中年群では関連を認めなかった。これらの結果より、イビキ音強度は、日中の眠気と独立した関連を示し、とくに中高年の対象において、眠気への影響が大きい可能性が示唆された。 この結果は、イビキの精神生理学的影響に関する重要な示唆を与えるものであると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
イビキが日中の眠気に関連するとの結果を出すことができた。イビキの精神生理的影響にも関連した重要な研究結果といえる。今後、イビキと、客観的測定に基づいた精神生理学的指標との関連に関する研究についても、早急に準備し、開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
イビキの精神生理学的影響を検証するために、イビキを主訴に受診しPSGを施行した対象において、客観的な覚醒度、注意力を測定し、イビキと各種精神生理学的指標との関連について解析する予定である。目標数まで対象数を増やし、達成した段階でデータを解析し、学会発表(日本心身医学会)を行い、論文化していく予定である。
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Causes of Carryover |
現在、研究開始が遅れているため、PSGを行う際に必要な消耗品や質問紙などの必要物品が未購入であるなど、研究に関連した出費が遅れていること、また研究が順調に進んでいる場合の学会発表がなされていないことによる。
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Research Products
(3 results)