2017 Fiscal Year Research-status Report
新開発超音波エラストグラフィーによる画期的「非侵襲的食道胃静脈瘤診断法」の開発
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17K09441
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
古市 好宏 東京医科大学, 医学部, 講師 (70384998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 勝俊 東京医科大学, 医学部, 講師 (20385032)
中村 郁夫 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40251243)
糸井 隆夫 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (60338796)
大城 久 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60381513)
大藤 さとこ 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70433290)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肝硬度 / 脾硬度 / 食道静脈瘤 / 門脈圧亢進症 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の目的・実施計画は、1.「新開発超音波エラストグラフィーを用い危険な食道胃静脈瘤を高精度に診断するための肝臓・脾臓粘弾性最適カットオフ値をRetrospective に割り出す」ことと、2.「 門脈圧亢進症ラットモデルで肝臓・脾臓の粘弾性値の変化を免疫病理学的に解析する」ことである。1.については平成29年度、食道静脈瘤治療を行った54症例のうち21症例について肝臓・脾臓の粘性値・弾性値を測定した。いずれの数値も高値を示しており、肝臓・脾臓の粘性値・弾性値が高い場合は高率に危険な食道静脈瘤が存在している可能性が示唆されたが、症例数が現在のところ少なく、最適カットオフ値を割り出すまでには至っていない。平成30年度も症例を追加し継続して検討を行う必要がある。 また、2.については、5週齢のSDラット・雄性25匹を用い、急性肝障害モデルと肝線維化モデルを作成し実験を行った。急性肝障害モデルでは正常コントロールに比べ、肝臓と脾臓の粘性値が上昇することが判明した。肝線維化モデルでは急性肝障害モデルに比べると肝脾の粘性値がやや低下し、代わりに肝脾の弾性値が上昇することが判明した。門脈圧上昇を伴う肝硬変患者は、高い肝・脾硬度を示すが、これは炎症(粘性)のみならず線維化(弾性)が関与していることの証明になった。これまで脾硬度の上昇の原因はうっ血(粘性)がメインと考えられていたが、それだけでなく、脾臓も線維化(弾性)が高率に関与していることが判明した。平成30年度も追加実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究がやや遅れている状態である。 原因は食道静脈瘤患者54例全員に超音波検査が施行できていなかった点である。 そのため、最適なカットオフ値が算出できていない。 基礎研究については順調にすすんでおり、問題ない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度、肝脾硬度の測定ができなかった患者に対し、全例超音波測定を行うことで、データーの補完を行う。さらに、本年度は食道静脈瘤症例全例に対して、もれなく超音波測定を行うこととする。 加えて、平成30年度は難病疾患(特発性門脈圧亢進症・肝外門脈閉塞症・バッドキアリ症候群)に対する検討も開始する予定である。外来受診した全症例について超音波測定を行う。
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Causes of Carryover |
当初の予定に比べ動物実験に関する費用と旅費が少なかったため、未使用額が生じた。平成30年度は、引き続き動物実験費用と旅費、臨床研究解析費用に使用する予定である。
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Research Products
(9 results)