2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K09477
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岡本 健志 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (50420534)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Helicobacter pylori |
Outline of Annual Research Achievements |
病原性細菌の抗菌薬に対する耐性化と耐性菌の蔓延は、抗菌薬に対する治療効果が低下するため、臨床上非常に重要な問題である。この問題に対応するためには、抗菌薬によらない治療法の開発が必要である。古くから細菌に対する光線力学療法(Photo dynamic therapy)が試みられ、皮膚科領域では臨床応用もなされている。以前我々はLED光源より照射される近紫外光(波長40nm)がHelicobacter pylori(HP)に対して抗菌作用を持つことを見出し、報告している。今回、消化管内視鏡から照射される近紫外光(波長405nm~410nm)の殺菌作用について検討する目的で、まず実施計画の第一段階である、Narrow Band Imaging(NBI)・Blue Laser Imaging(BLI)光のHPに対する殺菌効果の検討に着手した。LED光源を用いた既報(Okamoto T et al.Scand J Gastroenterol 48, 1484-6)と同様の方法で、HP菌株にBLI光を照射する実験を行った。既報のLED光源を用いた際と同じ時間BLI光を照射したが、LED光源を用いた場合の抗菌効果と比較し、期待されたほどの抗菌効果が得られなかった。LED光源と比較して、内視鏡から照射される光の強さや分布に問題があるものと考えている。現在照射する距離・時間などの条件や菌株の調整について、再度検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予想していたほどの抗菌効果が得られなかったため、実施計画の第一段階(Narrow Band Imaging/Blue Laser Imaging光のHPに対する殺菌効果の解析)が達成できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの結果については、LED光源と比較して、内視鏡から照射される光の強さや分布に問題があるものと考えている。現在照射する距離・時間などの条件や菌株の調整について、再度検討を行っている。また、研究に携わる人員および時間も増強して研究計画を推進していく。
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Causes of Carryover |
本年度、実験計画の第一段である、Narrow Band Imaging(NBI)・Blue Laser Imaging(BLI)光のHPに対する殺菌効果の検討実験において、細菌培養のための 培地、シャーレ、血清の購入費を計上していたが、実験が思うように進まなかったため、予定より低額に抑えられ、未使用額が生じた。そのため、実験を次年度に繰り越して計画を進めるため、この未使用額は平成30年度の培養器具、血清の購入額と併せて使用する。また、旅費についても実験計画が思うように進まず学会への参加を見送ったため、未使用額が生じたが、これについても平成30年度の旅費・学会参加費と併せて使用する。
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