Outline of Annual Research Achievements |
ボディマス指数で判定される肥満は小児においても心血管系及び代謝系障害の危険因子とされている.ボディマス指数が正常であるが,体脂肪率が高い状態を「隠れ肥満」といい成人では肥満と同様にメタボリック症候群に関連するするとされるが,小児における知見はない.本研究では,1)体脂肪率が高いほど小児におけるメタボリック症候群の頻度が増加する,2) 小児「隠れ肥満」例は正常体格例と比較して心血管系及び代謝系障害の指標に異常を認める,という2つの仮説を検証する.本研究により「隠れ肥満」が心血管系及び代謝系障害に関連することが判明すれば,検診体制の変更,「隠れ肥満」例の健康に関する認識変更の啓発,更には食事・運動・薬物療法の発展が期待される. 研究活動は,当院小児科を受診,あるいは当院小児科へ検査目的で入院した症例を対象とし,総合的身体測定(ボディマス指数,腹囲,臀囲,除脂肪体重,体脂肪率)・生理学的検査・血液性化学検査(尿酸,中性脂肪,高密度リポ蛋白コレステロール,非高密度リポ蛋白コレステロール,インスリン抵抗性,高感度C反応性蛋白)・断層超音波検査(左心室拡張末期容積係数,左心室心筋重量係数,動脈コンプライアンス,Tei index,頸動脈内膜中膜複合体厚)を施行した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3年間に対象となった例は613例(男310例)であった.年齢は6-14歳(中央値10.1歳)であった.総合的身体測定結果より,正常,肥満,隠れ肥満はそれぞれ525例(男286例),64例(同19例),30例(同5例)であった.隠れ肥満は全体の4.9%を占めた.尿酸,中性脂肪,高密度リポ蛋白コレステロール,非高密度リポ蛋白コレステロール,インスリン抵抗性,高感度C反応蛋白,左心室心筋重量係数,頸動脈内膜中膜複合体厚は3群間で有意差(危険率<0.05)を示し,尿酸と左室心筋重量係数は隠れ肥満例が正常例及び肥満例よりも高値を示した.
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Causes of Carryover |
【理由】当初の予定より, 消耗品費と旅費が節減できたため, 次年度使用額が生じた 【使用計画】書籍購入, 旅費, 論文の英語添削費等を予定している
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