2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research for development of gut microbial drugs for preventing cardiovascular diseases.
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17K09497
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平田 健一 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20283880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 智也 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (90437468)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 動脈硬化 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、循環器疾患における腸内細菌叢の役割を解明し、疾患の発症予測・治療介入に利用するための研究基盤を確立することである。 冠動脈疾患(動脈硬化)の悪化・予防に関連する可能性のある腸内細菌種Bacteroides vulgatusとdoreiを同定し、この菌を用いた、腸内細菌製剤の開発研究を進めている。本菌の作用機序の解明実験に関しては、この菌の抗炎症作用の解明を進め、この菌の持つ菌体外毒素リポポリサッカライド(LPS)が、非常に弱い炎症活性しか持たないことを示した。そして、そのLPSの構造の調査によってlipid Aと呼ばれる部分のアシル鎖の本数が、大腸菌のLPSに比べて少ないことが判明し、それが炎症惹起する力が弱いことに関連していることを示した。複数の菌株のヒトから単離に成功しており、この菌株の中のより強力な抗動脈硬化作用を発揮する菌を選出する作業を進めており、新規腸内細菌製剤開発の基盤を確立できた。 心不全患者の糞便サンプルの解析にて、ショットガンシーケンスを用いた腸内細菌メタゲノム解析の結果を得ており、さらにメタボローム解析による代謝物の解析結果を得たので、ある代謝物の変化と関連する菌叢・菌の持つ遺伝子との関連性を調査した。心不全で上昇するトリメチルアミンNオキシド(TMAO)の上昇に関連する腸内細菌遺伝子の解析を行い、その原因の一部となる遺伝子Cut Cと、その増加に関連する菌を特定できた(論文投稿準備中)。 さらに、複数の代謝物と菌との関係を解析中であり、追加発表の予定である。また、動物実験を進めることで、その作用機序を解明する研究に発展している。
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Research Products
(12 results)