2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of animal models, identification of the mechanisms, and experimental therapeutics for augmented blood pressure variability
Project/Area Number |
17K09729
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
加藤 丈司 宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 教授 (20274780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑迫 健二 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 准教授 (20381098) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血圧変動性 / 血圧日内変動 / 交感神経活性 / ノルアドレナリン / α1受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
血圧変動性の増大と心血管疾患の関連が報告されている。交感神経活性の日内変動は、24時間血圧日内変動を規定する因子であるが、持続的な交感神経活性の上昇が、血圧変動性に及ぼす影響は不明である。本研究では、ノルアドレナリン(NA)持続投与の血圧変動性への影響について検討した。9週齢の雄性Wistarラットを対象に、慢性実験テレメトリーシステムを用いて、無麻酔無拘束下に血圧と心拍数をモニターした。15分毎に10秒間血圧を計測して、平均値をその時点の血圧値とし、24時間96ポイントの血圧変動性を変動係数(CV)にて評価した。14日間のNA(30μg/h)持続皮下投与群、NA+プラゾシン(Pra)経口投与群、NA+アテノロール(Ate)経口投与群、対照群の4群を作成して比較した。また、14日間のフェニレフリン(Phe)とイソプロテレノール(Iso)持続皮下投与群を作成して観察した。NA持続投与群では、7日および14日後の収縮期と拡張期血圧(SBPとDBP)のCVが、対照群と比較して有意に増大した。Pra投与群では、SBPとDBPのCVが、投与7日および14日後、有意に低下した。Ate投与群では、NAの持続投与によるCV の増大は抑制されなかった。一方、Phe投与群では、7日および14日後のSBPとDBPは、対照群と比較して軽度上昇し、CVは有意に増大した。Iso投与群では、対照群と比較して心拍数は有意に上昇したが、血圧とCVには変化がなかった。NA持続投与は、ラットにおいて24時間の血圧日内変動を増大させた。NAの変動性増大作用の少なくとも一部は、β1受容体ではなく、α1受容体を介する作用であることが判明した。すなわち、持続的な交感神経活性の上昇が、血圧変動性を増大させる可能性が示唆され、血圧変動性増大に対するα1遮断薬の効果を考察するための研究結果が得られた。
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Research Products
(9 results)