2017 Fiscal Year Research-status Report
Salt Sensitivity, Hypertension and Tubular Mechanism
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17K09730
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
石上 友章 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (50264651)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高血圧 / 食塩感受性 / 尿細管 / レニン / アンジオテンシノーゲン / 上皮性ナトリウムチャネル / Nedd4L |
Outline of Annual Research Achievements |
食塩感受性の尿細管性機序をあきらかにして、ベッドサイドでより精度の高い診療を実現することが、本研究の目的である。これまでの、Nedd4-2 C2KOマウス、結合尿細管レニンを対象にした研究からは、結合尿細管以後のterminal nephronにおけるナトリウム再吸収の異常が、高血圧・食塩感受性をもたらすことは、ほぼ間違いない。本研究では、レニン・アンジオテンシン系、ENaC-Nedd4L系を制御することで、食塩感受性・高血圧を制御することを確認し、この理論の実証を進める。Proof of Conceptの段階である。現在不死化したヒト近位尿細管細胞(human RPTEC)を対象にして、アンジオテンシノーゲン分泌制御に係る、低分子化合物、分子標的の解明を目指した基礎的検討を行っている。不死化近位尿細管細胞では、SIK1遺伝子の強制発現により、アンジオテンシノーゲンの産生が半減することを確認した。東京大学創薬機構より、低分子化合物ライブラリーの供与を受けて、アンジオテンシノーゲンの分泌を制御する低分子化合物のスクリーニングを行った。受容体随伴系プロレニン系(RAPS)についても、近年尿細管での制御が注目されており、(P)RR尿細管高発現マウス、Alternative Renin高発現マウスの二系統を樹立した。今年度は、(P)RR尿細管高発現マウスの表現型の解析を行った。その結果、本マウスの血圧が上昇し、尿濃縮力・尿pHが低下していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト不死化尿細管細胞の解析は、ヒトにおける尿細管レニン・アンジオテンシン系の制御に直接結び付く可能性のある研究課題であるが、分子標的・低分子化合物の特定までに至っていない。今後は、実験の精度を確保しつつ、結果にこだわり、成果を上げていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト不死化尿細管細胞を対象にした研究は、質量分析や、バイオインフォマティクス研究を採用し、より精度を高めていく。
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Causes of Carryover |
昨年度中に計画した動物実験、質量分析実験が、実施できなかった。今年度は、(P)RR尿細管高発現マウスに対して、液胞型プロトン輸送性ATPase機能に着目し、その阻害薬であるbafilomycinを投与した効果を検討し、(P)RR遺伝子の尿細管における機能を検討する。さらに、(P)RR尿細管高発現マウスと、研究者が開発したARen2TG(alternative renin高発現マウス)とを交配した、double transgenicマウスを作製し、(P)RRとARen2のin vivoでの相互作用について明らかにする計画です。
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Research Products
(3 results)