2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of diagnostic tools and discovery of pathology in anti-MOG antibody associated demyelinating disease
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17K09772
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中島 一郎 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (50333810)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脱髄疾患 / 多発性硬化症 / 視神経脊髄炎 / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、中枢神経の炎症性脱髄疾患における、髄液中および血清中の抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白(MOG)抗体を、ヒトMOG-DNAを導入したHEK293細胞を用いて間接蛍光抗体法で網羅的に解析した。抗MOG抗体陽性症例の臨床的特徴、病態に関わる検査所見などを他施設と共同で報告した。また、B細胞をターゲットとした治療による効果、病態におけるB細胞の関与について解析し報告した。 抗MOG抗体に関連した自己免疫性脳炎、.抗 NMDA 型 Glutamate receptor(GluR)抗体、は抗 Leucine-rich glioma-inactivated 1(LGI1)抗体、び抗 contactin-associate protein(CASPR)2 抗体、抗gamma aminobutyric acid (GABA)A 受容体、抗GABA-B 受容体を網羅的に解析し、これらの自己抗体との関連を調べた。抗MOG抗体陽性例と類似の臨床型で抗GABA-B抗体が陽性になる症例を見出した。また、抗Aquaporin-4(AQP4)抗体陽性の視神経脊髄炎(NMO)と髄液サイトカインプロファイルが類似していることから、抗AQP4抗体陽性NMOと共通の病態が存在すると考えられた。 抗MOG抗体陽性症例の生検脳を用いて病理学的な解析を行っており、疾患に特徴的な病理所見を見出し、報告予定である。抗MOG抗体をモデル動物に移入することで疾患モデルの作成を試みているが、今のところ大きな成果は得られていない。昆虫ウイルスであるバキュロウイルスにヒトMOG 蛋白遺伝子を導入し、発芽型ウイルス粒子上にMOG 蛋白を発現させたものを用いて、ELISA 法を確立を試みているが、成果は得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年4月に東北医科薬科大学に異動となり、研究環境が変化した。本研究の一部は東北大学の設備、備品を使用しており、非常勤講師として東北大学での研究に従事できる時間が限られるため、進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、診断のための簡便かつ低コスト、ハイスループットで抗MOG抗体が測定できる測定キット作成を試みる。動物モデルの作成の試みも継続する。病態解析として、発症後未治療の抗MOG抗体陽性の脱髄疾患の末梢血T細胞を抽出し、高い免疫応答性が予想されるMOGペプチドを加えてT細胞の反応性を解析する。T細胞の反応性は、活性化表面抗原の発現の程度、サイトカインの産生、CSFEを用いた細胞増殖アッセイなどで解析する。また、血液中のmyeloid-derived suppressor cells (MDSC)を解析し、病態への関与を解析する。
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Research Products
(17 results)