2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of diagnostic tools and discovery of pathology in anti-MOG antibody associated demyelinating disease
Project/Area Number |
17K09772
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中島 一郎 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (50333810)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脱髄疾患 / 多発性硬化症 / 視神経脊髄炎 / 自己抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗MOG抗体陽性症例の臨床的特徴の解析を多数例で行った。259例の抗MOG抗体陽性患者の臨床的解析において、男女差がなく、発症年齢の中央値は26歳で100例が18歳以下の発症であった。約半数の129例で再発性の経過を示し、うち34例では4回以上の再発を認めていた。成人では視神経炎の頻度が高く、小児例では多発性の脳病変により小児多発性硬化症の診断に至っている症例が多かった。そのほか、ベーチェット病類似の臨床経過を取った症例、リツキシマブが奏功した症例などを報告した。 抗MOG抗体陽性患者の免疫学的病態の解明を患者髄液および末梢血T細胞を用いて行った。抗MOG抗体陽性症例の急性期髄液中では、Th17に関与するサイトカインの増加が示され、NMOSDとの類似性が示された。一方で多発性硬化症とは異なるサイトカインプロファイルを示し、多発性硬化症とは異なる病態機序が働いていることが強く示唆された。末梢血T細胞の解析では、健常者との比較において、抗MOG抗体陽性患者由来T細胞はMOGp16-40、p181-205に対し有意にCD69発現が増加していた。健常者との比較において、抗MOG抗体陽性患者由来T細胞はMOGp16-40に対し有意にGM-CSFの産生が増加していた。また3名の抗MOG抗体陽性患者において急性期と寛解期におけるT細胞のペプチド反応性を解析したところ、3名とも急性期でCD69発現が増加している傾向がみられた。 抗MOG抗体陽性患者の病理学的解析を11例の脳生検標本を用いて行った。病変部位において、従来急性散在性脳脊髄炎の病理学的特徴とされていた小静脈周囲の脱髄を認めた。小静脈周囲の細胞浸潤は、CD68陽性のマクロファージが主体であり、T細胞はややCD4陽性T細胞有意に浸潤しており、B細胞の浸潤は軽度であった。活性化補体の血管周囲沈着はNMOSDほど目立つものではなかった。
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Research Products
(9 results)