2017 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症の進行、予後に関連する因子を基にした治療法開発
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17K09778
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
熱田 直樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90547457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 亮一 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80723030)
藤内 玄規 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (00748353)
勝野 雅央 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
祖父江 元 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (20148315)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 予後因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は代表的な神経難病であり、治療法開発のためには、創薬の標的となる病態関連遺伝子・分子の同定、ALS患者の経過、予後に関連する臨床的因子、バイオマーカーの探索、同定、治療薬スクリーニングが必要である。 多施設共同ALS患者コホートJaCALSに蓄積されたゲノム遺伝子検体を活用し、我が国の孤発性ALS患者におけるTBK1遺伝子変異の頻度と特徴を明らかにした。713例の孤発性ALSと800例の正常コントロールにおいてTBK1遺伝子の変異はオッズ比10.2で孤発性ALS患者に多いことを示した。 我が国のALS患者の経時的臨床情報の解析から、病型別の予後を明らかにした。発症から死亡もしくは永続的な人工換気導入までの期間の中央値が上肢型では46.9カ月、下肢型では50.9カ月、球麻痺型では36.9カ月、頸部筋型では34.9カ月と有意な違いが認められた。また、患者登録時からの情報で生存期間や重症度スケールの低下率を予測する指標の検討を行った。登録後3か月と1年の時点でALSFRS-Rの評価を行った565例について、発症から登録時までのALSFRS-R低下率(ΔFS)および登録から3か月間のALSFRS-R低下率(3M低下率)について、発症年齢、病型、性別を共変量として生存期間への影響をCox比例ハザードモデルで、登録1年後までのALSFRS-R低下率への影響はmultivariate linear regressionを用いて解析した。その結果、生存期間の予測にはΔFSと3M低下率が共に強力な予測因子であり、登録1年後までのALSFRS-R低下率の予測には3M低下率が優れていることが示された。治験デザインの構築において有用な検討と考えられる。 ALS患者の髄液の検討により、ADMA/ArgがALS患者の進行予後と強い関連を示すことを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前向き臨床情報とゲノム情報の解析により、多彩なALS患者の進行予後と関連する因子の解析が順調に進捗している。 昨年度までに同定されたALS進行関連遺伝子Titinに関する解析としては、マウスTtn遺伝子のプロモーター部位をクローニングし、導入したルシフェラーゼレポーターベクターを作成した。このベクターを横紋筋由来のcell lineであるC2C12に発現させTitin遺伝子プロモーター活性解析系を樹立した。またヒトTTN遺伝子のプロモーター部位を導入したルシフェラーゼレポーターベクターも作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ALS患者の進行、予後に関連する臨床的因子の解析を継続し、論文発表を行う。進行予後に関連する髄液バイオマーカーについても論文発表を行う。 Titinに関連した治療薬探索については、作成したC2C12細胞のTitin遺伝子プロモーター活性解析系を用いて薬剤スクリーニングを行うとともに、ヒト線維芽細胞を用いたTitin遺伝子プロモーター活性解析系作成を進める。また患者由来iPS細胞から誘導された筋細胞などでも薬剤スクリーニングを行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 本年度は試薬類を節約できることが出来たため。 (使用計画) 平成30年度には、登録業務に力を入れるためにCRC等の人件費に充当したい。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Prognosis of Japanese patients with amyotrophic lateral sclerosis according to motor phenotype2017
Author(s)
Naoki Atsuta, Daichi Yokoi, Ryoichi Nakamura, Hazuki Watanabe, Naoki Hayashi, Mizuki Ito, Hirohisa Watanabe, Masahisa Katsuno, Yuishin Izumi, Mitsuya Morita, Akira Taniguchi, Masaya Oda, Koji Abe, Kouichi Mizoguchi, Osamu Kano, Satoshi Kuwabara, Masashi Aoki, Nobutaka Hattori, Ryuji Kaji, & Gen Sobue, JaCALS
Organizer
XXIII World Congress of Neurology
Int'l Joint Research