2018 Fiscal Year Research-status Report
Downregulation of cPLA2 suppress diabetic nephropathy in diabetic mouse models
Project/Area Number |
17K09835
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松村 剛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20398192)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬ノ口 隆文 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (00530320)
石井 規夫 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (10599111)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 糖尿病性腎症 / 炎症 / マクロファージ / cPLA2 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的: 糖尿病腎症の発症・進展阻止は、我が国の重要な命題である。近年申請者は、阻害剤やノックアウト(KO)マウスを用いた検討で、細胞内アラキドン酸カスケードに関与する分子であるcPLA2の発現抑制が、マクロファージや大動脈において抗炎症作用・抗動脈硬化作用を発揮することを見出した。一方、糖尿病腎症の発症にはPKCとその下流に位置するcPLA2の関与が示唆されているが、糖尿病腎症に対して、このcPLA2抑制の治療的効果や有用性は確立していない。本研究では、STZを用いて糖尿病を導入したWTマウスとcPLA2欠損マウスを用い、糖尿病腎症発症・進展に対するcPLA2阻害療法の有用性を検討することで、糖尿病腎症発症・進展の新規機序の解明と新たな治療法開発の可能性を見出すことを目的とする。
研究の成果:①8週齢のcPLA2α欠損マウスにSTZの腹腔内投与を行い糖尿病化した。②糖尿病(DM-)cPLA2α欠損マウスでは、STZ投与後4週、12週、24週時に回収した腎の組織切片において、メサンギウム領域の減少を認めた。③また免疫組織学検討では、DM-cPLA2αの糸球体内及び腎間質へのマクロファージ浸潤度の低下を認めた。④糸球体内皮細胞、腎メサンギウム細胞、糸球体上皮細胞、マクロファージ共培養時のメディウム中のてTNF-α、IL-1β、IL-6、MCP-1、TGF-β 産生量は、AACOCF3前処置により有意に減少していた。
以上の結果より、STZ誘導糖尿病モデルマウスにおける腎症発症進展及び腎構成細胞における炎症惹起応答に対するcPLA2阻害の有効性が確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度では、cPLA2ホモ欠損マウスの準備に予想外に時間がかかったため、cPLA2欠損マウスを用いた実験にまでは行きつかなかった。平成30年度には実験を行える形でのcPLA2ホモ・ヘテロ欠損マウスの作製が終了し、解析を行っている。同時に細胞実験もスタートしており、現在サンプル作製とその測定を行っているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、STZ誘発糖尿病cPLA2 KOマウスでのモ腎症発症進展への影響をさらに細かく観察する予定である。また、同時にヒト腎糸球体内皮細胞、ヒト腎メサンギウム細胞、マウス若しくはラット腎糸球体上皮細胞およびマウス腹腔から回収したマクロファージの培養を継続し、メディウム、蛋白やmRNAサンプルの準備とその解析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
直接経費支払額1,100,000円と前年度未使用額1,557円を合わせた本年度使用額1,101,557円に対し,1,100,598円を使用.残金959円は次年度の助成金と合わせて物品購入費に使用する予定.
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Impact of hepatic HSP72 on insulin signaling2019
Author(s)
Kitano Sayaka、Kondo Tatsuya、Matsuyama Rina、Ono Kaoru、Goto Rieko、Takaki Yuki、Hanatani Satoko、Sakaguchi Masaji、Igata Motoyuki、Kawashima Junji、Motoshima Hiroyuki、Matsumura Takeshi、Kai Hirofumi、Araki Eiichi
-
Journal Title
American Journal of Physiology-Endocrinology and Metabolism
Volume: 316
Pages: E305~E318
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-