2018 Fiscal Year Research-status Report
Involvement of brain KATP channel with pathology of sarcopenia and fraility
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17K09840
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
下村 健寿 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90636226)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | KATPチャネル / サルコペニア / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は完成した変異型KATPチャネルを実際にマウスの脳内に発現させ、変異型KATPチャネル発現ニューロンの電気生理学的特性の変化ならびにマウスの生体そのものに表現型として与える影響について検討している。 まず、変異型KATPチャネル(Kir6.2/R50P)をウィルスベクターを用いてマウスの脳視床下部腹内側核に注入し、マウスの床下部腹内側核に発現していることを確認した(変異型KATPチャネルの発現の有無はRFPの発現において確認できるように設定した)。現在、発現した変異型KATPチャネルを有するニューロンにおいて活性化能が低下していることを電気生理学的検討(RFP発現ニューロンに対する脳スライスパッチクランプ法)において確認している。またKATPチャネル電流そのものも変異型KATPチャネル発現ニューロンにおいて増大していることも穿孔パッチクランプ法を用いた検討で確認している。 同時に変異型KATPチャネル発現マウスにおいてその表現型(血糖・体重・飲水脳、筋肉量)の変化について計測している。 またサルコペニア・フレイルの病態におけるKATPチャネルの影響をさらに検討するために脳KATPチャネルの関与から独立した骨格筋KATPチャネルの貢献を調べるために骨格筋培養細胞(C2C12細胞)に変異型KATPチャネルを発現させて、細胞形態や電気生理学的特性に与える影響について検討を行っている。現時点では変異型KATPチャネル(Kir6.2/R50P)を発現したC2C12細胞において形態異常と膜電位の低下を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変異型KATPチャネルを発現したマウスにおいて体重など表現型に変化が認められることが確認され、現在体重変化の原因についての検討を行っている。当初の予定通り変異型KATPチャネル発現マウスの表現型についての検討が順調に行われている。 また筋肉そのものに変異型KATPチャネルが与える影響も明らかになってきており、サルコペニア・フレイルにKATPチャネルが果たす役割が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までの研究成果で脳および筋肉に変異型KATPチャネルが発現したマウスでの機能解析が進行しているため、今後はこれらの変化した機能の発症病態機序を明らかにし、サルコペニア・フレイル発症にKATPチャネルの果たす役割を明確化する。さらに明らかとなった病態機序から治療標的を明確化し、治療方法の検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初の予定より安価にて試薬を購入できたために生じた。翌年に試薬の購入費として使用する計画である。
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