2019 Fiscal Year Annual Research Report
New Treatment Strategy for SMA: In tron-retention of the SMN2 gene
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17K10077
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
西尾 久英 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (80189258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 正和 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (80437483)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脊髄性筋萎縮症 / SMN1遺伝子 / SMN2遺伝子 / スプライシング / イントロン・リテンション / ヌシネルセン / 潜在性エクソン |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、SMN1遺伝子異常によって生じる運動ニューロン病である。相同遺伝子であるSMN2遺伝子の発現によって、その重症度は軽減される。今回の研究プロジェクトは、これまでの研究を発展させて、選択的スプライシングを制御し、人為的にイントロン・リテンションを生じさせる技術を応用した脊髄性筋萎縮症の新規治療法の開発を企図するものである。 2017年度は、対照線維芽細胞とSMA線維芽細胞を用いて、イントロン2bを含む転写産物を解析した。2018年度は、SMA線維芽細胞を用いて、イントロン7のリテンションを誘導する実験を行った。イントロン7のスプライスドナーサイトを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドをトランスフェクションしたところ、イントロン7のリテンションは誘導されず、かえってエクソン7がmRNAに組み込まれ、イントロン7の排除が進んだ。 2019年度は2つの実験研究を行った。(1)2018年度に引き続き、SMA線維芽細胞を用いて、イントロン7のリテンションを誘導する実験を行った。しかし、イントロン7のリテンションを効率よく誘導するには至らなかった。(2)SMA治療薬として認可されているヌシネルセンと同様の配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド(Nusi)を、濃度を変えて、SMA線維芽細胞に添加する実験を行った。その結果、高濃度のNusを添加した時に、イントロン7の中の潜在性エクソンが活性化することを見出した。 SMAの新生児スクリーニングについては、2019年度も、全国の産科・新生児科の協力を得て、パイロット研究を推進した。4000人を超える新生児についてスクリーニング検査を実施したが、陽性例(SMN1遺伝子欠失例)は検出できず、SMAの発生率を計算するには至らなかった。
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Remarks |
神戸学院大学 教員総覧 総合リハビリテーション学部 https://www.kobegakuin.ac.jp/information/public/teacher/rehabilitation/nishio.html
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