2019 Fiscal Year Annual Research Report
Multi-omics approach unraveling neonatal mouse brain for DOHaD
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17K10172
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴藤 淳子 星薬科大学, 先端生命科学研究所, 寄附講座等客員助教 (10611121)
桑形 麻樹子 昭和大学, 医学部, その他 (70398684)
塩田 清二 星薬科大学, 先端生命科学研究所, 教授 (80102375)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DOHaD / 精神疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では出生後の新生児期に低栄養暴露したマウス海馬と前頭皮質のトランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクスのマルチオミックス解析を行い、生物学的な機能の解釈やパスウェイ解析を中心とした統合解析ソフトウェアを使用し、これまでに実施してきた胎児期低栄養暴露胎児マウス全脳のオミックス解析データ(基盤研究(C) 2011~2013年:胎児組織に着目した成人疾患発症の分子基盤の解明)と比較検討することで胎生期および新生児期に基づく成人期疾患発症関与因子の同定を目指した。 昨年度までに新生児期マウス海馬、前頭皮質のトランスクリプトミクスおよびTMTベース定量的プロテオーム解析は終了しており本年度は解析で得られたデータのバイオインフォマティクス解析を進めた。しかしながら本年度に行う予定だったメタボロミクス解析は国外共同研究先での装置問題により報告書で使用できるレベルの解析結果を得ることが出来なかった。よって胎児期と新生児期のトランスクリプトミクスとプロテオミクス解析結果の統合解析を進めた。その結果、胎児期の全脳と新生児期の海馬および前頭皮質で共通にアップレギュレーションとなっていたのはハプトグロビン遺伝子であることが確認できた。さらにハプトグロビンは新生児期のプロテオミクス解析においてもアップレギュレーションされていることが確認できている。ハプトグロビンは鉄の輸送や貯蔵を担う非ヘムタンパク質として知られているが、感染症や自己免疫疾患などの他、最近の研究ではうつ病や統合失調症で高値を示すことが知られている。 本実験ではハプトグロビン以外にも精神疾患に関わるドーパミンシグナル伝達、アミロイドーシス、慢性炎症関連の多くの因子が同定できたことから、今後より詳細に解析を進め精神疾患リスク因子をカテゴリー別にまとめる予定である。
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Research Products
(3 results)