2019 Fiscal Year Research-status Report
発達障害・精神疾患を有する大学生不登校の実態および支援の現状と課題
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17K10329
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水田 一郎 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 教授 (20273641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 喬 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 教授 (10273632)
望月 直人 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 准教授 (20572283)
三上 章良 大阪大学, キャンパスライフ支援センター, 准教授 (60301272) [Withdrawn]
竹中 菜苗 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 講師 (20510291)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大学生の不登校 / 発達障害 / 精神疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、我が国の大学において学生の不登校が注目されている。大学生の不登校の背景要因として、これまでさまざまな心理社会的要因が探索されてきたが、発達障害や精神疾患に焦点を当てて系統的に調べた調査は存在しない。本研究は、発達障害・精神疾患を有する/有しない不登校学生の①頻度、②不登校の誘因・持続因・解消因、③不登校学生に対する支援の現状と課題を明らかにすることを目的とするものである。 平成31年度は初年度(平成29年度)に開始した三つの調査(①研究代表者の所属する大学の教職員を対象とした質問紙調査、②研究代表者が所属する機関で過去およそ1年間に対応した不登校学生の担当者を対象とした質問紙調査、③キャンパスライフ健康支援センターに来談歴のある不登校学生を対象とした質問紙調査・面接調査)のうち、②と③を中心に調査を継続するとともに、結果の一部について分析を行った。 ②の対象となった担当者が担当した不登校学生数は78名(男59名、女19名)であった。このうち、不登校の背景に発達障害・精神疾患があると判断されたのは33名(42%)であった。発達障害の中では自閉スペクトラム症、精神疾患の中では気分障害が多い傾向が認められた。不登校エピソードの回数は1回のみが多かった(65%)。高校までに不登校エピソードが認められたのは稀で(6%)、ほとんどのケースでは大学に入学後、はじめて不登校が生じたと考えられた。不登校エピソードの半数(54%)にひきこもりが伴っていた。③でAQ、ASRS、M.I.N.I.を実施できた17名中、ASD、ADHD、精神疾患が疑われたのはそれぞれ1~4名(6~24%)、2~12名(12~71%)3名(18%)であった。精神疾患の内訳(重複あり)はパニック障害(生涯)が2名、社会不安障害(現在)が1名、軽躁病エピソード(過去)が2名、自殺の危険(現在)が1名であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査の実施に係る部局との調整に予想以上の時間を要した。具体的には、不登校学生に関する調査や「調査」を理由に不登校学生に接触することに対して不安感や抵抗感を持つ教職員が多く、結果として研究計画の見直しが必要となった。この間、教職員、部局との折衝や新たな研究計画の策定に時間を要した。 学生を対象とした面接調査を担当する研究分担者が産休・育休のため、面接調査の2019年度中の実施が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である本年度は、共同研究者の産休・育休のため実施の遅れていた調査(キャンパスライフ健康支援センターに来談歴のある不登校学生を対象とした面接調査)を行い、主に質的観点から分析を行う。その結果を昨年度までの分析結果と併せ、総合的な分析を行う。
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Causes of Carryover |
*事務補助員を雇用して事務作業に従事させる予定であったが、条件に合う事務補助員を見つけることができなかった。 *次年度は事務補助員を雇用するとともに、調査結果を様々な角度から分析し、その結果を公表する予定である。これに伴う人件費、謝金、および、物品費(書籍等)、旅費、その他(印刷費、通信費、学会参加費等)のとして助成金を使用予定である。
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