2019 Fiscal Year Annual Research Report
Assessment of competence to consent in patients with schizophrenia
Project/Area Number |
17K10347
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
菅原 典夫 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80431435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古郡 規雄 (安井規雄) 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20333734)
一家 綱邦 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (50453981)
橋本 有生 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (90633470)
冨田 哲 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90736365)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 同意能力 / 認知機能 / 統合失調症 / MacCAT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、患者の治療同意能力と精神症状との関連性を評価し、民法や医事法などの法学的観点からも社会への実装を検討した治療同意能力の包括的評価プログラムを開発することを目指した。最終年度である令和元年度は、フィールド調査のため、研究代表者、分担者の異動先である施設の倫理委員会よりあらためての承認を得て、調査を継続することが出来た。これまでにDSM-5あるいはICD-10の基準による統合失調症に罹患した調査参加者40名を得た。参加者の年齢は59.7±2.6歳、就学年数は10.2±0.3年、また、罹病期間は34.6±3.1年であった。治療同意能力の評価にはMacArthut Competence Assessment Tool-Treatment (MacCAT-T)を、認知機能については統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)を用いて評価した。統計学的解析においては、MacCAT-Tにより評価される理解、認識、論理的思考、選択表明を従属変数、その他の評価項目を独立変数とする重回帰分析を行い、ステップワイズによる変数選択を行った。理解、認識の両項目とも、認知機能である文字流暢性と正の関連性を示したほか、遂行機能が選択表明と同じく正の関連性を有していた。また、年齢、罹病期間、入院期間、投与される抗精神病薬の数も同意能力と関連することが示された。こうした結果から、同意能力評価に際して、前頭葉機能、治療の状況、加齢といった要因と同意能力との関連を考慮すべきと思われた。ここまでの成果を受け、令和元年に開催された第115回日本精神神経学会学術集会にて、「精神科治療に対する同意能力は適切に評価されているのか?患者の保護と自己決定の尊重」と題するシンポジウムを、法学専門家を交えて開催し、包括的同意能力評価と共同意思決定について、討論を行った。
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Research Products
(2 results)