2018 Fiscal Year Research-status Report
乳癌の個別化治療に向けたMRIのRadiomics解析による治療効果予測
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17K10389
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 扶美 北海道大学, 大学病院, 助教 (80399865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 啓子 北海道大学, 大学病院, 教授 (70332947)
ワン ジェフリー 北海道大学, 国際連携研究教育局, 博士研究員 (80754829)
馬場 基 北海道大学, 大学病院, 助教 (90724980)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳癌 / MRI / 術前化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
術前化学療法後の組織学的完全奏功(pCR)は乳癌の重要な予後因子の一つである。MRIでは形態・血流・機能の情報を非侵襲的に取得できる。機能画像の代表である拡散強調像のみかけの拡散係数(ADC値)は悪性度の指標の一つで、新たな機能画像である拡散尖度画像のK値は微細な生体構造を反映している可能性がある。 我々の施設では、MRIを用いて乳癌の治療効果を予測するモデルを確立するため、術前化学療法が行われた乳癌患者の治療前および治療中のMRI所見とpCRの関連を検討した。 治療中の腫瘤径、腫瘤縮小率、ADC値およびその変化量と変化率、血流パターンとその変化量が、pCR群と非pCR群とで異なるという結果が得られ、平成30年5月に開催された第26回日本乳癌学会学術総会で発表した。 さらに、pCR群と非pCR群で治療中のK値とその変化量および変化率に有意差を認め、pCR率が最も高いサブタイプであるホルモン受容体陰性HER2陽性乳癌においてはpCR群の治療前のK値が非pCR群に比し有意に高いという結果が得られた。この結果は平成31年7月に開催される第27回日本乳癌学会学術総会において発表予定である。 また、最も予後良好なサブタイプであるルミナルA-like乳癌において、重要な予後因子であるリンパ節転移と拡散強調像でのADC値について検討し、乳癌病変部のADC値は陰性群に比較して有意に低いという結果が得られた。この結果はBreast Cancer誌 にPredicting metastasis in clinically negative axillary lymph nodes with minimum apparent diffusion coefficient value in luminal A-like breast cancer”として原著論文の形式で投稿し、採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3テスラMRIを用い、腋窩リンパ節転移と拡散強調像との関連および乳癌の術前化学療法の治療効果と拡散強調像、拡散尖度画像、造影ダイナミックMRIなどとの関連についての検討を行った。造影ダイナミックMRIの解析について、これまでは腫瘤の代表的な1断面のみでの検討を行ってきたが、改良されたソフトウエアを用いて腫瘤全体での血流について検討を加える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、造影ダイナミックMRIを用いた血流評価を腫瘤の代表的な一断面で行っている段階であり、これを改良したソフトウエアを用いて腫瘤全体に応用する。今後はさらに症例を蓄積しながら、より詳細な解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
国内学会で情報収集を行ったため、当初国際学会への参加費として計上していた額よりも低い額の支出で済んだことによる。 次年度は繰り越し金を国際学会での発表で使用する予定である。
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Research Products
(2 results)