2017 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of glymphatic system in the human brain using diffusion MR images and application to Alzheimer's disease.
Project/Area Number |
17K10397
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田岡 俊昭 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (30305734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長縄 慎二 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50242863)
増谷 佳孝 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (20345193)
安野 史彦 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 精神科, 医長 (60373388)
川井 恒 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50378147)
岸本 年史 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60201456)
吉川 公彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10161506)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Glymphatic system / MRI / 拡散画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常例、軽度認知機能低下症例、Alzheimer病症例を対象として拡散テンソル画像を撮像した。症例は31例(男性14人、女性17人、年齢51~89歳、平均75歳、中央値76歳)であり、AD患者16人、MCI患者9人、SCI患者6人であった。各症例でMini mental state examination(MMSE)による重篤度の評価を行った。 撮像は3.0-T臨床用MRI 装置を用いて行った。 拡散画像はEPI法を用いて撮像した。 上記撮像により得られたデータから、拡散テンソル画像を、dTV.II.13k +ソフトウェア(広島市立大学大学院情報科学研究科)を用いて生成した。 このソフトウェアは、拡散異方性マップおよび拡散率マップを含む拡散テンソルの計算画像を作成し、さらに、x軸、y軸およびz軸方向の拡散率を計算することができる。 放線冠部で投射線維領域、連合線維領域、皮質下領域においたROIでそれぞれx,y,z方向の拡散能を測定した。すると、投射線維領域、連合線維領域では、投射線維方向(z方向)、連合線維方向(y方向)の拡散能はMMSEスコアと逆相関して、ADが重篤であるほど拡散能が上昇するのに対して、血管周囲腔の走行方向(x方向)の拡散能は、MMSEスコアと相関して、ADが重篤であるほど拡散能が低下する傾向を示した。なお血管周囲腔と白質線維の方向の一致する皮質下領域ではすべての方向で逆相関を示した。 血管周囲腔の走行方向に限局した拡散能がGlymphaticシステムの活性に相関すると仮定して、血管周囲腔の方向の拡散能を、血管周囲腔、および主な白質線維の走行方向と直交する方向の拡散能との比(ALPS index:mean(Dxproj,Dxaxxoc/mean(Dyproj,Dzassoc))で評価した。 ALPS indexはMMSEスコアと有意に逆相関し、また年齢と有意に相関した。このことから、ALPS indexがGlymphaticシステムの機能を反映した指標となり得る可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例も蓄積しつつあり、初期の結果も得る事ができた。 上記の結果は、MMSEスコアと投射線維や連合線維に沿った拡散率との間に有意な負の相関があることを示したが、これはADまたはMCIに起因する投射線維や連合線維における白質変性によって説明することができる。一方、血管周囲空間に沿った拡散性とMMSEスコアとの間には、上記とは逆に有意な正の相関を示し、投射線維、または連合線維が優位である領域で、血管周囲腔の方向における水分子の運動が低下していることを示した。このことから、上記のALPS indexがGlymphaticシステムの機能を反映した指標となり得る可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き症例の蓄積を行うと共に、解析方法の改善を図る。 アルツハイマー病、その前段階とされる軽度認知障害(mild cognitive impairment :MCI)さらにその前段階といわれる主観的認知障害(subjective cognitive impairment :SCI)にDTI-ALPS、QSI-ALPSを応用して、アルツハイマー病の発症に関連したグリンパティック系の変化を探り、発症に至るまでの変化を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
物品費が当初の見込みよりも少なくてすんだため、次年度の旅費として使用したい。
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Research Products
(10 results)