2017 Fiscal Year Research-status Report
糖代謝と腫瘍血流量を組み合わせた肺癌定位照射後の予後予測と早期再発診断法の確立
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17K10466
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
青木 昌彦 弘前大学, 医学研究科, 教授 (70292141)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放射線 / ブドウ糖代謝 / 低酸素 / 嫌気性解糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺腫瘍に対する体幹部定位放射線治療の治療前評価として、dual energy CTによる物質分析、およびFDG-PETによる病期診断の両方を行った肺癌症例について、悪性度の指標であるSUVmaxと腫瘍血流量および低酸素の指標であるヨード密度の背景因子と両者の相関関係を明らかにすることを目的に、本年度はデータ収集を行った。 初年度の末までにdual energy CTを行った症例数は244例、FDG-PETを行った症例数は233例であり、dual energy CTとFDG-PETの両方を行った症例数は186例であった。目標の200例にわずかに届かなかったため、平成30年度の症例も加えて平成31年度に最終解析を行うこととした。 ヨード密度の背景因子として有意差が見られた因子は、腫瘍サイズ、性別、組織型であり、大きい腫瘍、男性、扁平上皮癌のヨード密度は低い傾向を示した。一方、SUVmaxの背景因子として有意差が見られた因子は、腫瘍サイズ、性別、組織型、呼吸機能であり、大きい腫瘍、男性、扁平上皮癌、閉塞性肺疾患のSUVmaxは高い傾向を示した。 次に、ヨード密度とSUVmaxの相関について見てみると、弱い負の相関(R=-0.273、P=0.000)が見られた。186例の中間解析では、局所制御率に関与する有意な因子は、ヨード密度と組織型、全生存率に関与する有意な因子は、SUVmaxのみであった。SUVmaxを4.0、ヨード密度を中央値で4群に分けて、局所制御率および全生存率を検討すると、SUVmax高値かつヨード密度低値の群が、有意に予後不良であった。すなわち、SUVmax高値かつヨード密度低値の群は、腫瘍血流量の相対的低下に基づく嫌気性解糖の亢進により、放射線抵抗性を獲得しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標症例数達成まで残り14例であり、平成30年度中に症例集積が完了する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
186例を対象とした予備的検討では、放射線治療後の局所制御率が最も悪かった群は、SUVmax高値(>4)かつヨード密度低値(中央値以下)であった。症例数を更に増やすとともに経過観察期間を延長し、SUVmaxとヨード密度を高低で組み合わせた4群について、局所制御率、全生存率をエンドポイントとして最終解析を行い、放射線感受性や予後を規定するSUVmaxとヨード密度の閾値を明らかにする。更に、予後不良群を予め特定し、そのような症例に対する線量増加試験を実施する。
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Causes of Carryover |
購入を検討していた統計ソフトについて、残額での購入ができなかったため、あえて次年度使用額として残している。次年度、統計ソフトの購入に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Dose escalation improves outcome in stereotactic body radiotherapy for pulmonary oligometastases from colorectal cancer2017
Author(s)
Jingu K, , Matsuo Y, Onishi H, Yamamoto T, Aoki M, Murakami Y, Yamashita H, Kakuhara H, Nemoto K, Sakayauchi T, Okamoto M, Niibe Y, Nagata Y, Ogawa K.
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Journal Title
Anticancer Res
Volume: 37
Pages: 2709-2713
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Clinical results of accelerated hypofractionated radiotherapy for central-type small lung tumours2017
Author(s)
Hatayama Y, Aoki M, Kawaguchi H, Hirose K, Sato M, Akimoto H, Tanaka M, Fujioka I, Ichise K, Ono S, Takai Y
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Journal Title
Current Oncology
Volume: 24
Pages: 285
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Analysis of the relationship between prescribed dose and dosimetric advantage of real-time intraoperatively built custom-linked seeds in iodine-125 prostate brachytherapy2017
Author(s)
Hirose K, Aoki M, Sato M, Akimoto H, Hashimoto Y, Imai A, Kamimura N, Kawaguchi H, Hatayama Y, Fujioka I, Tanaka M, Ohyama C, Takai Y
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Journal Title
Radiation Oncology
Volume: 12
Pages: 192
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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