2017 Fiscal Year Research-status Report
広範囲腸管切除後の腸管不全関連肝障害の実験的病態解明と新規治療法への展開
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17K10555
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
向井 基 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80468024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
大西 峻 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (10614638)
山田 和歌 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (20457659)
川野 孝文 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (40457651)
加治 建 鹿児島大学, 附属病院, 特任教授 (50315420)
武藤 充 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (70404522)
中目 和彦 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70448570)
町頭 成郎 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, その他 (80404523)
矢野 圭輔 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 医員 (30757919)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 短腸症候群 / IFALD / 胆汁酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
広範囲腸管切除後の短腸症候群患者に発生する腸管不全関連肝障害(IFALD)は治療が困難で新たな治療法の開発が求められている。私たちは長年にわたり短腸症候群モデルラットを用いて消化管ホルモンの残存腸管に対する作用解析を行ってきたが、同時にこのモデルがIFALDモデルとなることを報告した。最近、非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)の研究で、ラットに胆汁酸を長期間投与すると便中胆汁酸分画と腸内細菌叢の変動とともに脂肪肝が形成されることが報告された。私たちはNAFLDと同様に、IFALDにおいても胆汁酸分画や腸内細菌叢の変動が脂肪肝形成の原因の一つであると推測している。 IFALDモデルラットを用いて、IFALD発症のメカニズム解明と、新たな予防法、治療法の開発をめざし①IFALDモデルラットの観察期間延長による病理学的変化、臨床的病理所見との対比②糞中、肝組織中、血中の病理学的、生化学的データ、糞中腸内細菌種の変化をコントロール群と比較をおこなった。 7週齢の雄性SDラットを本研究のモデル動物とする。ヒトの平均寿命は68歳(WHO2012)であり、ラットの平均寿命は725日である。ヒトの約1年間に相当する14日間をモデルラットの長期絶食期間として設定し脂肪肝が観察されたので、さらに14日間の期間延長を行い病理学的変化の観察を行った。脂肪肝の程度はさらに進行し脂肪肝に加えて炎症所見も観察された。IFALDモデルラットの観察期間延長による病理学的変化が観察できた。 ②血中、肝組織中、糞中生化学データを測定を行っているところである。血液、糞採取は7日後、14日後、21日後、28日後、肝組織採取は21日後、28日後に犠死せしめて行う。 肝組織測定項目として TG、FFA、Cholesteryl ester、短鎖脂肪酸、血液測定項目としてTG、FFA、Cholesteryl ester、胆汁酸分画、短鎖脂肪酸、糞測定項目として胆汁酸分画、Metagenomics、短鎖脂肪酸を測定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
14日間をモデルラットをさらに14日間の期間延長を行い病理学的変化の観察を行うと脂肪肝に加えて肝細胞の炎症所見を認めるようになった。血中、肝組織中、糞中生化学データを測定中である。
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Strategy for Future Research Activity |
14日間の期間延長を行い脂肪肝に加えて肝細胞の炎症所見を認めるようになったので血中、肝組織中、糞中生化学データを測定を行う。 さらに予防的治療による病理学的・生化学的効果の評価を行う。 ウルソデオキシコール酸投与、正常ラットの糞投与を14日間連続して行い、14日で犠死せしめて上記の病理学的、生化学的データを非投与群と比較しIFALD予防効果を評価する。先に行う胆汁酸測定でウルソデオキシコール酸以外に減少が明らかな胆汁酸があればこれの投与を考慮する。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Predictors of a successful outcome for infants with short bowel syndrome: a 30-year single-institution experience2017
Author(s)
Kaji T, Nakame K, Machigashira S, Kawano T, Masuya R, Yamada W, Yamada K, Onishi S, Moriguchi T, Sugita K, Mukai M, Ieiri S
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Journal Title
Surgery Today
Volume: 47
Pages: 1391-1396
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] A comparison of the characteristics and precision of needle driving for right-handed pediatric surgeons between right and left driving using a model of infant laparoscopic diaphragmatic hernia repair2017
Author(s)
Ikee T, Onishi S, Mukai M, Kawano T, Sugita K, Moriguchi T, Yamada K, Yamada W, Masuya R, Machigashira S, Nakame K, Kaji T, Ieiri S
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Journal Title
Pediatric Surgery International
Volume: 33
Pages: 1103-1108
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Current characteristics and management of congenital esophageal stenosis: 40 consecutive cases from a multicenter study in the Kyushu area of Japan2017
Author(s)
Suzuhigashi M, Kaji T, Noguchi H, Muto M, Goto M, Mukai M, Nakame K, Kawano T, Yamada W, Yamada K, Onishi S, Ieiri S
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Journal Title
Pediatric Surgery International
Volume: 33
Pages: 1035-1040
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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