2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of a candidate gene for breast cancer stemness
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17K10569
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
高井 健 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 乳腺腫瘍内科, その他 (80775031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 成勲 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 乳腺腫瘍内科, 副部長 (20458277)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳癌幹細胞 / 膜型ER |
Outline of Annual Research Achievements |
LGR5(+)細胞が乳癌幹細胞であるとの証明はできなかったが、化学療法後の手術検体で濃縮されていたことから、治療抵抗性の可能性が示唆された。ホルモン受容体(HR)陽性乳癌の原発腫瘍のcluster内でLGR5(+)細胞はエストロゲン受容体(ER)を発現していなかった。これはホルモン療法による根治が困難であることを示唆している。一方stromaにおいて、核ではなく細胞膜にERを発現するLGR5(+)細胞が存在していた。膜型ER(mER)を発現する腫瘍細胞はHR陽性乳癌患者の胸水や血液中にも認められた。これは転移の過程でclusterから接着性を失った腫瘍細胞がER発現を核から細胞膜へ移行させる可能性を示唆している。乳癌患者の血中mER腫瘍細胞の検出率を解析したところ、ホルモン療法感受性転移・再発乳癌の1次内分泌療法前で100%(6/6)であったのに対し、HR陽性早期乳癌の治療前で50%(3/6)、HR陰性乳癌の治療前で0%(0/5)であった。治療抵抗性再発乳癌の1次内分泌療法前の1例では検出されなかった。以上より、血中mER細胞の検出は1次内分泌療法前の効果予測に有用であることが示唆された。さらにホルモン療法の経過と血中mER細胞数の変化を7例のHR陽性転移・再発乳癌患者で検討したところ、血中mER細胞の数と治療効果は相関していた。また、ホルモン療法経過中の血中LGR5(+)細胞の増加は治療抵抗性と関連する可能性が考えられた。
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