2017 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌肝転移高危険群選別を目的とした門脈系エクソソーム中RNA・タンパク質解析
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17K10637
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
貞苅 良彦 九州大学, 大学病院, 助教 (80784503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 逸人 九州大学, 医学研究院, 助教 (40611281)
永吉 絹子 九州大学, 大学病院, 医員 (90761015)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | exosome / 大腸癌肝転移 / RNA / タンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
まず門脈系血清のサンプル採取を行った。平成28年4月から大腸癌手術症例の摘出検体の下腸間膜静脈から血清を採取している。現時点で計41症例から採取しており、うち8例(25%)はStageIV症例である。さらに同門脈系血清からexosomeを、超遠心法、及び抽出キットを使用した方法で抽出し、抽出方法がexosome抽出量に影響を与えるかを調べた。大腸癌由来exosomeの表面マーカーといわれるCD9/CD147を測定し、門脈系exosomeに大腸癌由来exosomeが含まれていること、抽出方法はexosome抽出量に影響を与えないことを確認した。また手術前、手術後の末梢血採血も進めている。現在16症例から術前術後末梢血を採取しており、門脈血同様CD9/CD147を測定予定である。Exosomeが抽出されている確認として、ナノ粒子トラッキング解析(Nanosight)、及び電子顕微鏡での小胞確認、ウエスタンブロッティング法でのExosomal Markerの確認を行った。それぞれ良好な結果を得ており、exosomeは確実に抽出されていると思われる。現在、さらなるサンプル採取を継続している。 Exosomeからまずは特に安定して存在するmicroRNAを抽出し測定した。多くの腫瘍で高発現が認められているmicroRNA21/microRNA155を測定し、癌症例で高発現であることが確認された。また多方面からの検討として他臓器由来体液からもexosomeを抽出した(膵液)。最終的にはインテグリンファミリーの解析を行う。将来的に肝転移を来しうる症例を識別し大腸癌肝転移ハイリスク群の早期診断のみならず、治療方針の決定・大腸癌の予後改善に飛躍的な進歩が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サンプル採取に関しては、大腸癌症例は収集が容易であるが、コントロールとして健常群(憩室炎、虚血性腸炎など)の収集はやや遅れている。採取不能な場合、内視鏡的粘膜切除(EMR)後で癌遺残が全くない症例などを代用する予定である。 サンプルからのexosome抽出、及びmicroRNAは随時行っているが、microRNAの検討を優先したため、それ以外の抽出は遅れている。抽出法を検討した後、タンパクなどの抽出を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプル採取を継続し、得られたexosomeからRNAやmicroRNA、タンパクを抽出して臨床病理学的データと照らし合わせ、その臨床的・分子生物学的意義について検討を進める。特にStageIV大腸癌(肝転移)サンプルを中心に解析を行い、肝転移促進因子を発見する。現時点で新たに肝転移が出現した症例はないが、肝転移新規出現症例があった場合、初回手術時に採取されたサンプルを検討し、肝転移促進因子の発現を解析する。
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Causes of Carryover |
おおむね計画通りに使用できた。 次年度は研究用試薬、器材、研究用キットなどの消耗品に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)