2018 Fiscal Year Research-status Report
Diagnosis of Individualized Colorectal Cancer by Intestinal Bacterial Flora Metagenomic Analysis and Liquid Biopsy
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17K10655
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
橋口 陽二郎 帝京大学, 医学部, 教授 (60251253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯沼 久恵 帝京大学, 医学部, 講師 (30147102)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸癌 / リキッドバイオプシー / 腸内細菌叢 / tumor-free DNA / 個別化治療 / 早期診断 / 再発予測診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
1本研究課題では、糞便、唾液、血液といった体への負担が少なく頻回検査が可能なサンプルを用い、腸内細菌叢の16Sメタゲノム解析による、大腸癌の新たな診断法の確立を目指す。今年度は、昨年度に確立した実験系を用いて、大腸癌および健常人の腸内細菌叢の16Sメタゲノム解析による遺伝子解析を行い、大腸癌に特徴的な腸内細菌叢のdysbiosis を明らかにした。その結果、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、クロストリジウム属、エシェリシア属の中に、大腸癌に特徴的な細菌叢のパターンを明らかにすることができ、大腸癌の早期診断および再発予測診断としての可能性が示唆された。次に、大腸癌のcell-free DNAを用いた、再発予測因子としての有用性を検討した。まず各症例の腫瘍組織における遺伝子変異部位を特定するために、次世代シークエンスによる測定を行った。さらに、組織で確認した遺伝子変異と同じ部位の変異を血漿中のtumor-free DNAで確認することができた。現在、症例数を増やして、データを集積している。今後は新たに症例数を重ねて、糞便中腸内細菌叢のパターン変化による大腸癌早期診断およびtumor-free DNAの遺伝子変化と転移・再発との関連性を、より明らかにする。さらに、化学療法剤と分子標的薬の治療前後の、腸内細菌叢のパターンの変化およびcell-free DNAの変化から、治療効果予測マーカーとしての有用性を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的は、これまでに確立した糞便を用いた腸内細菌叢の遺伝子解析の至適条件のもとで、大腸癌および健常人の糞便中の腸内細菌叢のdysbiosisを明らかにし、大腸癌に特徴的なパターンを確認することであった。現在、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、クロストリジウム属、エシェリシア属の中に、大腸癌に特徴的な細菌叢のパターンを明らかにすることができ、大腸癌の早期診断および再発予測診断としての可能性を検証中である。さらに、大腸癌組織の変異遺伝子をマーカーとした、血漿中のtumor-free DNAの早期再発予測診断としての有用性を検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、糞便や血液以外の低侵襲性サンプルとして、新たに唾液を加え、tumor-free DNAによる大腸癌の再発予測診断のみならず、化学療法剤や分子標的薬の治療効果モニタリングマーカーとしての有用性を検討する予定である。これらのtumor-free DNAを用いた遺伝子変異の測定により、より総合的で非侵襲的な大腸癌の早期診断、早期再発予測診断、および治療効果予測法が確立されると考える。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンスなどの遺伝子解析に関する試薬などをまとめて購入することにより、予定よりも価格を抑えることができた。これらの研究費は、今後のサンプル保存、機器の消耗品および様々な試薬代に用いる予定である。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Disentangling the prognostic heterogeneity of stage III colorectal cancer through histologic stromal categorization.2018
Author(s)
Ueno H, Sekine S, Oshiro T, Kanemitsu Y, Hamaguchi T, Shida D, Takashima A, Ishiguro M, Ito E, Hashiguchi Y, Kondo F, Shimazaki H, Mochizuki S, Kajiwara Y, Shinto E, Yamamoto J, Shimada Y.
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Journal Title
Surgery
Volume: 163
Pages: 777-783
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Efficacy and Tolorability of Oral Budesonide in Crohn's Disease Patients with Attenuated Response to Anti TNF-α Antibody Drug- a Single Institutional Study.2018
Author(s)
Matsuda K, Ohno K, Okada Y, Yagi T, Tsukamoto M, Fukushima Y, Akahane T, Horiuchi A, Shimada R, Ozawa T, Hayama T, Okamoto K, Tsuchiya T, Tamura J, Iinuma H, Nozawa K, Aoyagi H, Isono A, Abe K, Kodashima S,Yamamoto T, Kita H, Sasajima Y, kondo F, Hashiguchi Y.
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Journal Title
Annals of Biomedical Research
Volume: 1
Pages: 1-8
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A prospective Phase Ⅱ study to examine the relationship between quality of life and adverse events of first-line chemotherapy plus cetuximab in patients with KRAS wild-type unresectable metastatic colorectal canaer: QUACK trial.2018
Author(s)
Iwamoto S, Ooki A, Morita S, Hara H, Tanioka H, Satake H, Kataoka M, Kotaka M, Kagawa Y, Nakamura M, Shingai T, Ishikawa M, Miyake Y, Sudo T, Hashiguchi Y, Yabuno T, Sakamoto J, Tsuji A, Ando M, Yamaguchi K.
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Journal Title
Cancer Medicine
Volume: 7
Pages: 4217-4227
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 遺伝子発現によるサブタイプ分類を利用したStageII結腸癌再発リスク予測―多施設共同研究による検証(55 STAR試験)―2018
Author(s)
楠本 哲也, 神藤 英二, 沖 英次, 下川 元継, 冨田 尚裕, 石黒 めぐみ, 大沼 忍, 橋口 陽二郎, 山口 茂樹, 田中 正文, 森田 勝, 多田 幸代, 松嶋 朋子, 長谷 和生
Organizer
第118回日本外科学会定期学術集会
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[Presentation] 原発巣を切除する立場からみたStage IV大腸癌の予後およびconversion therapyに関する因子の検討2018
Author(s)
松田 圭二, 大野 航平, 岡田 有加, 八木 貴博, 塚本 充雄, 福島 慶久, 赤羽根 拓弥, 島田 竜, 堀内 敦, 端山 軍, 岡本 耕一, 土屋 剛史, 田村 純子, 飯沼 久恵, 野澤 慶次郎, 笹島 ゆう子, 近藤 福雄, 藤井 正一, 橋口 陽二郎
Organizer
第118回日本外科学会定期学術集会
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[Presentation] 外科治療を行った小腸大腸原発びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫症例の検討2018
Author(s)
塚本 充雄, 松田 圭二, 大野 航平, 岡田 有加, 八木 貴博, 福島 慶久, 赤羽根 拓弥, 島田 竜, 堀内 敦, 端山 軍, 岡本 耕一, 土屋 剛史, 田村 純子, 飯沼 久恵, 野澤 慶次郎, 藤井 正一, 橋口 陽二郎
Organizer
第118回日本外科学会定期学術集会
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[Presentation] A validation study of stratification by the 55-gene classifier for assessing recurrence risk in stage II colon cancer: The 55 STAR study (UMIN23879).2018
Author(s)
Shigeki Yamaguchi, Kazuo Hase, Eiji Shinto, Eiji Oki, Mototsugu Shimokawa, Megumi Ishiguro, Masaru Morita, Tetsuya Kusumoto, Naohiro Tomita, Yojiro Hashiguchi, Masafumi Tanaka, Shinobu Ohnuma, Sachiyo Tada, Tomoko Matsushima
Organizer
ASCO 2018 米国癌治療学会議(American Society of Clinical Oncology Annual Meeting)
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[Presentation] microRNAシグナチャーのT1大腸がんにおけるリンパ節転移予測能の検討2018
Author(s)
小澤 毅士, 畑 啓介, 岡田 聡, 永田 洋士, 田中 敏明, 川合 一茂, 泉 大輔, 馬場 秀夫, Goel Ajay, 橋口 陽二郎, 野澤 宏彰
Organizer
第89回大腸癌研究会
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[Presentation] 大腸癌におけるKRAS kodon12変異とKRAS kodon13変異の臨床学的特徴および予後と相関2018
Author(s)
端山 軍, 岡本 耕一, 岡田 有加, 大野 航平, 八木 貴博, 塚本 充雄, 赤羽根 拓弥, 堀内 敦, 島田 竜, 小澤 毅士, 土屋 剛史, 飯沼 久恵, 野澤 慶次郎, 松田 圭二, 藤井 正一, 橋口 陽二郎
Organizer
第73回日本大腸肛門病学会学術集会
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[Presentation] 大腸癌治療効果モニタリングマーカーとしてのLiquid biopsyの有用性2018
Author(s)
八木 貴博, 飯沼 久恵, 田村 純子, 大野 航平, 岡田 有加, 福島 慶久, 島田 竜, 小澤 毅士, 端山 軍, 土屋 剛史, 野澤 慶次郎, 松田 圭二, 橋口 陽二郎
Organizer
第31回日本バイオセラピィ学会学術集会総会
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