2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Forecasting Technology for Onset of Aortic Dissection using X-ray Phase-contrast Tomography and Vascular Ultrasonography
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17K10754
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
築部 卓郎 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (50304100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 和憲 九州大学, 医学研究院, 講師 (50217668)
八木 直人 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光・イメージング推進室, 特別研究員 (80133940)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 急性大動脈解離 / 位相差X線CT法 / 超音波イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)急性大動脈解離の新鮮標本を用いた壁内構造の研究 急性大動脈解離の手術中に上行大動脈をSTjunctionから3cmで幅20mmに環状切除し、冷生食に保存したうえで、24時間以内にSpring-8にて以下の研究を行った。資料数は6.牽引ゼロ状態では非解離部分の大動脈壁密度は1.067±0.001 g/cm3 ,であり、内膜側と外膜側で有意に差がみられた (1.067±0.006vs 1.060±0.005 g/cm3; P<0.05). 壁厚の変化率は15.7% であった。しかし、壁密度に著変は見られなかった。これらの結果は、ブタの新鮮大動脈を用いた研究結果と大きく異なっていた(図1)。正常大動脈壁では牽引により壁内密度は上昇したが、急性解離標本では変化がみられなかったことより、大動脈解離壁では組織構造変化が起こっていることが明らかとなった (2)Aortic ultrasound imaging: AUS 位相差X線で得られた壁内情報を臨床的に再現するために高周波超音波検査装置を研究に応用した。まず、20MHzのプローべを用いた。検体はホルマリン固定標本6検体、新鮮大動脈標本1検体である。ま本システムの空間分解能の計測を行い空間分解能は42.5 μm であった。解像度に差がみられるが、超音波検査法でも壁内情報の観察が可能であった。ホルマリン固定標本の超音波検査所見を検討したところ、内膜側から外膜側までの超音波像のline profileを観察したところ、位相差X線の密度分布と近似した結果が得られた。 以上より、高周波超音波検査の壁内構造の詳細な観察に有用な検査法であることが、明らかとなった。今後臨床応用できうる他のデバイスとしてMRIの可能性について検討する予定でる。
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Research Products
(2 results)