2017 Fiscal Year Research-status Report
肺気腫症に対する肺切除後の肺再生と右心不全の予防に関する実験的検討
Project/Area Number |
17K10779
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
岩田 尚 岐阜大学, 医学部附属病院, 教授 (90303495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白橋 幸洋 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40362149)
山本 裕崇 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (50585651) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺切除 / 肺気腫 / 肺再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、肺気腫モデルにおける大量肺切除術に対して、G-CSF(Granulocyte colony stimulating factor)とEPO(erythropoietin)を併用投与することで、術後の肺高血圧と右心不全を回避することを目的とする。具体的には、G-CSFとEPOによる残存気腫肺の肺再生と肺内肺動脈リモデリングが、術後の肺高血圧症および右心不全を改善する可能性について検証を行う。その目的に先立ち、呼吸器外科領域関係学会での国内での現状を把握すべく情報収集を行った。近年、基礎的研究が呼吸器外科領域関係学会で減少しており、肺癌再発等のバイオマーカーの発見に関する報告は、散見されるが、大量肺切除に関する肺再生の報告は、ほとんどなかった。ラット肺気腫モデルの肺切除は、プレリミリナリーの実験から、呼吸機能の低下からその維持は困難と判断した。以前の動物実験において、正常肺の肺切除モデルを確立することを目的してF344系,雄性ラットに対して、pentobarbital全身麻酔人工呼吸器管理行下に右3肺葉切除を施行し生存を得た。手術手技的には問題ないともの考えられた。術後の病理にて、末梢肺動脈の壁肥厚(medial thickness×2/external diameter)×100は、開胸群(コントロール):13.24±6.47%、3肺葉切除群:30.67±8.27%、3肺葉切除+EPO群13.9±1.89%であり、EPO投与により有意に末梢肺動脈の壁肥厚を抑制できたことが確認された。当科の研究報告(Matsumoto et al. Journal of Surgical Reserch 2010;162:153-159)において、切除後残存肺においても G-CSF が肺高血圧症・右心不全を回避することを vivoで明らかにした。今後G-CSFおよびEPO併用投与し右3肺葉切除翌日より19日間 G-CSF(10μg/kg/day)&EPO(1500単位/kg/day)皮下注を行い、術後21日目に同様の病理学的評価を行いその効果を検証していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記研究プロジェクトの最近の学会等での研究情勢の把握および新たな動向を得るための情報収集に時間を要した。その後、学内の動物実験申請が少し遅延したことと小動物手術実験環境の整備のために、本格的な動物実験開始が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
速やかに本格的な動物実験を開始する環境を整え、実験を開始したい。
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Causes of Carryover |
動物実験が遅延したことが、その予算の執行が遅れた原因にあると考えている。次年度は速やかに動物実験を開始して、29年度に予定した実験計画を遂行したい。
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