2018 Fiscal Year Research-status Report
Initial experiment with transbronchial cryoablation as a new local treatment for malignant peripheral lung lesions
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17K10801
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
河野 光智 東海大学, 医学部, 准教授 (10276272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 正之 東海大学, 医学部, 教授 (90223388)
増田 良太 東海大学, 医学部, 准教授 (10408057)
中川 知己 東海大学, 医学部, 准教授 (30439707)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 凍結融解壊死療法 / 肺癌 / 転移性肺腫瘍 / 気管支鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性腫瘍に対する局所療法として、専用の凍結端子(プローブ)を刺入し腫瘍を凍結させる凍結融解壊死療法がある。悪性肺腫瘍に対しては現在、CTガイド下の経皮的アプローチで凍結を施行し、3cm以下の腫瘍で良好な局所制御率が得られている。呼吸機能への影響が小さく、複数の病変に繰り返し治療できるので多発病変などの治療に適している。しかし、胸壁と胸膜を貫いてプローブを肺に刺入するため、気胸や胸水の合併頻度が高いことなどにより、普及に至っていない。凍結療法を経気管支的に行うことで合併症が回避でき、より低侵襲となる可能性がある。本研究では肺末梢領域に対する経気管支的凍結療法の短期的な有効性と安全性を動物モデルで検証した。現在、経気管支用フレキシブル凍結プローブは存在しないので、経皮用硬性プローブを用いて経気管支凍結実験を行った。硬性プローブは凍結ガスを誘導するチューブの先に、長さが20㎝ほどの硬性針(径2.4㎜)が付いている構造である。ブタに全身麻酔をかけ、開胸する。肺門部で主気管支からプローブを刺入し、末梢気管支へ誘導して肺実質に刺入する。臨床と同様に凍結と融解を3回繰り返し、プローブ周囲の温度分布と変化を詳細に記録する。気管支をひどく損傷することなく中枢気管支から末梢の肺実質までプローブの挿入が可能であり、出血も認めなかった。凍結操作中やプローブ抜去後も重大な合併症を生じなかった。凍結手技の終了後に肺を摘出し、ホルマリン固定した。気管支の長軸方向、或いは直交する断面を作成し、組織学的に変化を観察した。組織壊死に至らせる-20℃以下の有効凍結域が半径約1.4cmで形成されることを確認した。短期的実験ではあるが、経気管支的凍結療法が安全に施行でき、有効である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
経気管支的凍結プローブの試作に難渋している。ステンレスや銅などの導管の材質や太さ、液体水素やブタンバスなどの凍結ガスの種類を替えて制作を試みているが、プローブの先端において十分な低温を長時間維持することが、現在のところ困難である。液体窒素や凍結ガスがプローブの先端に到達するまでに、沸騰或いは蒸散してしまうためである。
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Strategy for Future Research Activity |
経皮用プローブを用いて経気管支凍結を試みる。経皮用プローブは硬性であるが、動物の肺の下葉であればプローブの挿入が可能であると考えている。イヌ或いはウサギなどの中型動物に麻酔をかけ、気管挿管チューブから経皮用凍結プローブを挿入し、動物肺の凍結を行う。特に、気管から小さな角度で分岐する右主気管支から右肺下葉へ到達する経路であれば、長いサイズの硬性プローブを用いて凍結出来ると思われる。
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Causes of Carryover |
凍結プローブの試作が遅れているため。凍結プローブの試作や経皮用プローブの購入などに使用する。
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Research Products
(1 results)