2017 Fiscal Year Research-status Report
福島県の脳卒中医療における地域格差と予後に関する研究
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17K10845
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐久間 潤 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 哲也 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50448031)
中野 裕紀 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10736721)
弓屋 結 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90769481)
小島 隆生 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50807469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 発症頻度 / 受診までの時間 / 登録数 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の所属する福島県立医科大学脳神経外科の同門10施設に症例登録を依頼した。 平成29年は2074件のエントリーシートの登録を得ることができた。施設によって1ヶ月まとめて登録、年に何度か登録、年末に登録など、さまざまな登録方法があるが、引き続きエントリーシートの登録に関する啓蒙を行い、登録数を伸ばしていく予定である。
平成25年度(2013年1月1日~12月31日)までの遡り調査は、福島県北部の4病院(福島県立医科大学附属病院、福島赤十字病院、南東北福島病院、枡記念病院)から訪問調査を開始し、計1032例の発症登録を完成させた。脳梗塞は691例、脳内出血は244例、くも膜下出血は81例であった。脳梗塞ではアテローム血栓性脳梗塞が30%、心原性脳梗塞が29%、ラクナ梗塞が24%で、その他の塞栓症が11%であった。t-PAは5%(34例)に投与されるに留まっていた。脳内出血は保存的に治療されたものが80%(196例)、手術を行ったものが20%(48例)であった。くも膜下出血はクリッピング術が32%(26例)、コイル塞栓術が31%(25例)であり、保存的加療となったのは32%(26例)であった。
発症から病院受診までの時間の中央値は、脳梗塞で4.58時間、脳出血で2.35時間、くも膜下出血で1.32時間であったが、平均値は、脳梗塞は27.7時間、脳出血は43.5時間、くも膜下出血は63.3時間と非常に時間がかかっていることがわかった。患者の年齢に着目すると、40歳代、50歳代の病院受診までの時間が、各病型とも明らかに長くかかっていた。症状が軽度であったこと、発症が休前日だったため月曜日まで待って受診したこと、かかりつけ医に受診してから病院を紹介受診したことが要因と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
同門各病院からの情報提供(エントリーシートの登録)は軌道にのってきたが、神経内科からの登録や、関連施設以外の脳神経外科からの情報提供が不十分である。 県内の研究会や講演会等で、脳卒中登録事業を施行していることを発表し、協力を依頼しているが、個人情報の問題や医師が多忙であることなどを理由に、十分な協力が得られていないのが現状である。
一方、エントリーシートで登録された患者情報から、各病院への出張採録を行っているが、患者数に比して採録調査員の数が少ないことや、患者カルテから必要な情報を読み取るために膨大な時間を要していることで、遡り調査もようやく県北地区が修了し、県中地区に取りかかっている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き脳卒中登録事業の啓蒙を進めるとともに、福島県の医師会、各地区の医師会、あるいは福島県に働きかけることで、症例登録への協力を加速させる。
採録員の数を増やす。 現在までの採録の結果から、脳卒中発症登録表を簡略化し、情報の修得にかかる労力の軽減を図る。これについては簡略版を作成して、4月の調査分から試用を開始しているところである。
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Causes of Carryover |
調査員の数が充足されていないため、調査に使用するパソコンの購入代数が少なかった。 調査員は疫学講座および県民健康科学センターに所属していたことで、出張採録をする際の交通費や謝礼が、他講座の講座研究費から支出されたために人件費がかからなかった。 次年度は、上記予算からの交通費等の拠出が困難であるため、本研究費からの支出が充てられる予定である。
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Research Products
(3 results)