2019 Fiscal Year Research-status Report
福島県の脳卒中医療における地域格差と予後に関する研究
Project/Area Number |
17K10845
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐久間 潤 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 哲也 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50448031)
中野 裕紀 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (10736721)
弓屋 結 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90769481)
小島 隆生 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50807469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 疫学調査 / 脳卒中 / 発症登録事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年1月1日から、福島県が主体となって脳卒中発症登録事業が行なわれることとなり、我々の新規登録事業は、この事業に発展的に吸収されることになった。2019年1月1日~12月31日までのエントリー患者数は4,782件、患者のデータが記入された登録票は4,288件分が回収された。 2015年1月1日~12月31日までの脳卒中発症の遡り調査では、福島県内の26医療機関から5,455件(確実4,627件、可能性828件)の出張採録を行い分析した。遡り調査の結果は、平成25年度福島県脳卒中発症登録報告書として2019年5月に福島県に提出された。 その中では脳卒中の病型別分類では、脳梗塞が3,973件(69.5%)、脳内出血(ICH)が1,277件(23.4%)、くも膜下出血(SAH)が378件(6.9%)、その他の脳卒中が7件(0.1%)で、初発の脳卒中が3,932例、再発例が1,424例であった。脳梗塞では、アテローム血栓性脳梗塞が1,468件(38.7%)、脳塞栓症が1,085件(28.6%)、ラクナ梗塞が1,082件(28.5%)であった。アテローム血栓性脳梗塞の4.2%、脳塞栓症の8.2%にt-PAが投与されていた。脳内出血は男性に多く(54.7%)、男性では60代、女性では80代が最多であった。被殻出血が30.8%、視床出血が30.9%、皮質下出血が28.1%、小脳出血が8.9%で、70代の脳出血の29.6%、80代の35.8%と高く、高齢者ほど皮質下出血の頻度が増えていた。東日本大震災の影響をみるために、避難区域等12市町村、中通り、会津、浜通りの4つの地域別に脳卒中の年齢調整発症率(10万人あたり)を算出した結果、発症率はそれぞれ、108.3、119.5、125.9、107.7であり、会津、中通り、避難区域等12市町村、浜通りの順で発症率が高いという結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
脳卒中発症登録事業が2019年から福島県の事業に格上げされる形となり、調査項目のデータ入力量が大きすぎることから、悉皆性を優先して調査項目が簡略化されてしまった。 また統計処理を担当する共同研究者は県への事業報告書を作成するためにエフォートが使用されて、当初の遡りデータのブラッシュアップが遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
データのブラッシュアップが終了した福島県北医療圏(対象人口481,140人)の8つの医療機関からの遡り調査1,510件の解析を進めており、今年度中に論文化する予定である。
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Causes of Carryover |
我々が始めた脳卒中発症登録事業が、2019年から福島県の事業となり、悉皆性を高めるために収集項目が大幅に簡略化されてしまいました。県の事業になったために人件費がかからなくなった反面、分担研究者は県の脳卒中発症登録事業の解析に忙殺されてしまいました。 福島県北医療圏から収集した1,838件のデータのブラッシュアップを行ない、1,510件の解析を行なっているところです。今後はこのデータの解析を基に論文化を行なう。
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Research Products
(1 results)