2019 Fiscal Year Annual Research Report
The role of white matter during propagation of epileptic activity - Experimental study using white matter stimulation
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17K10894
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
押野 悟 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40403050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貴島 晴彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10332743)
山本 祥太 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20795728)
三好 智満 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70314309)
中村 元 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80533794)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | てんかん / 電気生理 / 白質刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大脳の白質(脳梁)の電気刺激により皮質の興奮性が変化し、てんかん性異常波が誘発・増強されるかを動物実験で検証した。2018年度には①脳梁刺激電極を左の脳梁外側縁に定位装置で刺入することと、②シート電極の小孔からボール電極で右の脳表を刺激しながら皮質活動を記録するという2点を修正した。これらにより、2019年度は予定した3例で安定して実験が遂行でき、計4例分のデータが収集できた。 脳梁刺激(CS)はパルス幅を100μs、強度は0.5~1.0mAに固定した。CS、CS下での脳表刺激に対する脳波変化を肉眼的な波形観察と5秒の時間幅での周波数帯域別パワー変化、Wavelet解析等で検討した。その結果、CSにより全般的な振幅の上昇や高振幅鋭波複合(burst波)が出現し、highγ(50-80Hz)とRipple(80-120Hz)でのパワーが増強していた。そしてこのパワー変化は25HzのCSで顕著(3から9倍)で、1Hzと100Hzでは弱い(2倍以下)と刺激周波数帯域により異なっていた。またこれらの変化は特に前方の皮質で強くみられ、中心溝近傍と連合野での活動の差異を反映したものと推測された。CS下に脳表を50秒間隔で10秒ずつ刺激したが、初回1-2回は激しい刺激後にburst様の波形が観察されたが、3回目以降は刺激後10秒程度は逆に抑制され、周波数ではβ(13-30Hz)やlowγ(30-50Hz)でのパワーが抑制された。脳表刺激の早期の分を解析すると、刺激後にripple成分の活動が遷延するなどの現象もみられた。 以上より、特定の周波数帯域での脳梁刺激を与えると、線維連絡のある皮質の興奮性が増し、てんかんと類似した状態になると推測された。一方、興奮性が増した状態での皮質刺激は、逆に抑制性の作用を示した。興味深い知見が多く得られ、今後さらに解析を進める予定である。
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Research Products
(10 results)