2017 Fiscal Year Research-status Report
Functional recovery following intravenous infusion of mesenchymal stem cells via induction of neural plasticity in chronic spinal cord injury
Project/Area Number |
17K10902
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
森田 智慶 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60723343)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20538136) [Withdrawn]
押切 勉 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70754612)
廣田 亮介 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10815434)
中崎 公仁 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70722461)
鰐渕 昌彦 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30343388)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
山下 敏彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70244366)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 脊髄損傷 / 骨髄幹細胞 / 移植 / 再生医療 / 神経可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、急性期から慢性期にかけての脊髄損傷動物モデルに対して、骨髄間葉系幹細胞(MSC)を経静脈的に移植し、運動機能の回復が得られることを報告してきた。移植されたMSC は損傷部位に集積し、損傷局所のsprouting などを誘導することで機能改善に貢献していた。機能回復のメカニズムとして、損傷局所におけるsprouting などのメカニズムのみならず、損傷上位に位置する①脊髄および②脳において、MSC 移植によってplasticity が亢進し、新しい神経回路が構築されると考えている。本申請では、慢性期脊髄損傷モデルに対してMSC を移植し、損傷された脊髄局所、およびその上位に位置する①脊髄および②脳におけるplasticity の賦活化するメカニズムを多角的に解析し、それを応用して慢性期脊髄損傷に対する次世代の治療法の開発に展開することを目的とする。 本研究では、ラットの胸髄(Th9)レベルに圧挫損傷を加え、重度の慢性期脊髄損傷モデルを作成している。コントロール群、MSC移植群の行動学的評価のためのデータを収集しており、現在までに、MSC移植群で麻痺の改善が得られてきている印象を受けている。今後は動物数を増やして統計学的解析を行っていく予定である。また、動物モデルの損傷脊髄・脳の組織を用いて、plasticityに関する組織学的・生化学的観察を多角的な手法で並行して行っている。さらに動物用高磁場MRIを用いた脊髄・脳の撮影手法、解析方法の確立を目指した予備実験を開始している。 以上のように、補助金は補助条件に従って、有効に使用されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット実験的脊髄損傷(脊髄圧挫)モデルを作成し、慢性期における行動学的・組織学的・生化学的解析を行っている。行動学的・組織学的・画像学的解析を実施しており、データの収集を順調に進めることができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
慢性期脊髄損傷に対する骨髄間葉系幹細胞移植群は麻痺の改善が得られる傾向にある。今後は動物数を増やし、麻痺の改善の程度に関する統計解析を行う。併せて、機能回復に貢献するplasticityの多角的な解析を推進する予定である。さらに、研究計画に従って、MSC移植の効果判定に寄与するバイオマーカーの開発や、MSC によるplasticity 亢進のメカニズムを解析し、遺伝子組み換えMSC による次世代の治療法へ展開していく予定である。
|
Causes of Carryover |
研究計画に従い、予定通りの研究内容は進行しており、良好な結果を得ている。ただし、当初の予定よりも安価な物品、試薬、キットなどの消耗品を使用することが可能であったことから、予定よりも残額が発生した。この残額を生かして、plasticityに関するさらなる解析を行い、これを応用した治療法の開発を充実させる予定である。
|