2017 Fiscal Year Research-status Report
軟骨形成能に着目した副甲状腺ホルモンを用いた半月板再建術の開発
Project/Area Number |
17K10978
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
橋本 祐介 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10382178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折田 久美 (荻久美) 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (40748597)
佐伯 壮一 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50335767)
箕田 行秀 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90453133)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 半月板 / PTH / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
膝半月は一旦損傷すると自然治癒を期待することは困難であることから半月板切除されることがしばしばある。半月板損傷状態によってはその切除量は多くなり、亜全摘あるいは全摘術となることもある。全摘亜全摘した場合は高率に変形性膝関節症を発症することが報告されているが、この状態を打開するための方法として海外では屍体からの半月板を採取し使用する他家移植が可能であるが、本邦では使用することができない。そのために本邦では自家移植腱を用いた半月板再建術が行われている。しかしその成績は決して満足できるものではなく、その原因として腱と半月板の組織相違が考えられる。我々は以前から腱にサイトカインを注入し、軟骨化、骨化させる技術を開発してきた。今回の研究はこの技術を用いて、現在骨粗しょう症で用いられている副甲状腺ホルモン(PTH)を使用した組織再現による半月板再建術の開発することである。 まずはPTHの腱に対する作用を検索した。ラットアキレス腱にPTHを注入し、処置後4週の組織を確認したところ、75ug/kg(22.5μg)以上で軟骨化が見られ、8週、12週経過での組織では骨化は見られなかった。つまり、PTHは腱内で軟骨化を誘導するが、骨化は誘導しないことが分かった。次にPTH注入したラットアキレス腱を半月板部分欠損モデルの半月板欠損部分に移植した。術後6週での移植部分は半月板に類似した組織で充填されていた。来年度は組織学的評価、力学的評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PTHが腱内での軟骨化現象が容量依存性かどうか、骨化出現しないことの確認を行っていたために、やや研究状態が遅れた。さらにラット半月板そのものが1mm程度しかない状況であったために、腱にPTHを注入するときの技術的な困難さがあり、このモデルを確立することに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のモデルによって、実態顕微鏡下では半月板様組織になっていることが分かったので、今後組織学的評価を行い、軟骨化の状態を確認する。さらに、この半月板によって、軟骨保護作用の有無を検討する。また力学的環境も元来の半月板に類似するかどうかの検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
残高200円に該当する消耗品などの必要物品がなかったために、次年度に繰り越すことになった。
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Research Products
(6 results)