2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms underlying anti-inflammatory and cartilage protective roles of HIF-1alpha
Project/Area Number |
17K10996
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 慶太 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50759173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 寛 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20407951)
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / HIF-1alpha |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス変形性関節症モデルにおけるHIF-1alphaタンパクの発現を免疫組織染色で調べたところ、健常な関節で豊富に発現していたHIF-1alphaが軟骨の変性とともに減少し、また低酸素プローブを用いて関節内酸素分圧を調べたところ、変性とともに酸素分圧は増加していた。培養関節軟骨細胞においてHIF-1alphaを強制すると、炎症性サイトカインIL-1βによる軟骨基質分解酵素MMP-13の発現や軟骨変性のマスターレギュレーターであるHIF-2alphaの発現が抑制された。反対にHIF-1alphaをノックアウトするとこれらの因子の発現は増加した。同様の傾向は培養軟骨組織でも確認された。次に軟骨組織特異的HIF-1alphaをノックアウトしたマウスにおいて変形性関節症モデルを作成して解析を進めたところ、HIF-1alphaのノックアウトによって変形性関節症の進行は促進され、関節におけるMMP-13の発現は増加した。またHIF-2alpha-MMP-13経路の上流であるNF-kappaBシグナルは活性化されていた。最後にHIF-1alphaがNF-kappaBを抑制するメカニズムを探索した。マイクロアレイを用いてHIF-1alphaノックアウト細胞で著明に発現が低下する分子として、C1qtnf3を同定した。C1qtnf3はNF-kappaBの活性を抑制しうる液性因子として知られていたが、HIF-1alphaの強制発現によってC1qtnf3の発現は増加し、HIF-1alphaのノックアウトによってC1qtnf3の発現は減少した。またHIF-1alphaによるNF-kappaB抑制作用の一部はC1qtnf3によって仲介されていることも判明した。これらの成果はSci Rep 10:5425, 2020に論文発表された。
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