2017 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms for production of reactive oxygen species in chondrocytes and synoviocytes derived from patients with rheumatoid arthritis and their involvement in joint destruction
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17K11032
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中島 新 東邦大学, 医学部, 准教授 (60583995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 晃一 東邦大学, 医学部, 教授 (30400823)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 寛解予測 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、生物学的製剤を投与中の関節リウマチ患者の血液検体を用いて、血中酸化ストレスの指標となるreactive oxygen metabolites (ROM)が、投与1年(52週)後の臨床的寛解予測に有用なバイオマーカーとなりうるかどうかを検証した。 対象は生物学的製剤・ナイーブ54例(男性12例、女性42例)、年齢: 59.8±13.6 (21-76) 歳、罹病期間: 7.26±10.8 (1-52) 年である。バイオ開始後12週の血中ROM, CRP, MMP-3, HAQ, DAS28-ESR, CDAI, SDAIと52週の全ての臨床的寛解 (DAS28-ESR, CDAI, SDAI, Boolean) の関連を検討した。各寛解基準を用いて52週の寛解、非寛解群に分け、12週における上記の因子について単変量解析を行い、有意差 (p<0.05) のあった因子を多重ロジスティック回帰分析(強制投入法)で検討した。さらにROC解析によってそのカットオフ値を求めた。 52週の各寛解の割合はDAS: 69%, CDAI: 54%, SDAI: 57%, Boolean: 56%であった。多変量解析の結果、12週のROMは52週のSDAIおよびBoolean寛解と有意に関連した (OR: 0.989, 95%CI: 0.978-1.000)。ROC解析の結果、SDAIおよびBoolean寛解のROMのAUCは共に0.746、カットオフ値は389.5(感度0.550, 特異度0.923)であった。CRP, MMP-3はどの寛解予測因子にも残らなかった。 感度は低いものの、バイオ開始後12週のROMは52週のSDAIおよびBoolean寛解の予測因子であった。血中ROM値は早期寛解を目指した治療戦略における有用なバイオマーカーになりうる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は最終的に科学誌に投稿中であり、おおむね順調に進展していると判断した。しかしながら、培養細胞を使った研究は遅れており、次年度以降に進行させていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
患者検体を用いた臨床研究では、血中ROM値の測定が様々な臨床的寛解基準の寛解予測因子として有用なバイオマーカーとなりうるかどうかを引き続き解析していく必要がある。 また、今後は、リウマチ患者由来の滑膜、軟骨細胞を用いて活性酸素種(ROS)が細胞増殖、軟骨基質分解、骨破壊に及ぼす影響を分子レベルで解析する実験を予定している。
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