2018 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms for production of reactive oxygen species in chondrocytes and synoviocytes derived from patients with rheumatoid arthritis and their involvement in joint destruction
Project/Area Number |
17K11032
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中島 新 東邦大学, 医学部, 准教授 (60583995)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 晃一 東邦大学, 医学部, 教授 (30400823)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 関節リウマチ / 酸化ストレス / 寛解予測 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】IL-6受容体抗体であるトシリズマブ(TCZ)は投与直後から炎症反応を強力に抑制するが、実際の患者の症状との間に乖離が見られることがある。平成30年度は、TCZを投与中の関節リウマチ患者の血液検体を用いて、血中酸化ストレスの指標となるreactive oxygen metabolites (ROM)が、投与1年(52週)後の臨床的寛解予測に有用なバイオマーカーとなるかどうかを検証した。 【方法】対象はTCZ・ナイーブ32例、他剤からTCZのスイッチ14例の計46例であり、開始時年齢60.1 (21-83) 歳、罹病期間8.1 (1-52) 年である。TCZ開始後4, 12週の血中ROM, CRP, MMP-3と52週の臨床的寛解 (DAS28-ESR, CDAI, SDAI, Boolean) の関連を検討した。各寛解基準を用いて52週の寛解、非寛解群に分け、4, 12週における上記の因子について統計学的解析を行い、有意差のあった因子をROC解析により、そのカットオフ値を求めた。 【結果】52週の各寛解の割合はDAS: 78.3%, CDAI: 47.8%, SDAI: 52.2%, Boolean: 52.2%であった。4週ではいずれも寛解、非寛解群に有意差はなく、12週ではDAS, SDAI, Boolean寛解群のROMは非寛解群よりも有意に低値であった。ROC解析の結果、DAS寛解のROMのカットオフ値は305.5 (正常値<300)U.Carr(感度70%, 特異度72.2%)であり (AUC = 0.735, p = 0.024)、12週ROMは52週DAS28-ESRと高い相関を示した (p < 0.01, r = 0.597)。しかしながら,SDAI, Boolean寛解の予測にはならず,CRP, MMP-3はどの寛解予測にもならなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の内、患者血液を用いた臨床研究に関しては研究実績の概要に示した通り、概ね順調に進行していると判断した。もう一つの課題である滑膜細胞、軟骨細胞を用いた酸化ストレスの産生機序と骨軟骨破壊に関する基礎研究に関してはプレリミナリーなデータしか得られておらず、やや遅れていると判断した。手術時に得られたヒト由来の滑膜、軟骨細胞を用いているため、データが安定しないことが一因と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
臨床研究に関しては、関節リウマチ患者の血中ROM値測定の意義として、生物学的製剤中止の指標となりうるかどうかを検討したい。生物学的製剤による治療を開始し臨床的寛解を達成後に生物学的製剤を中止した患者の血中ROM値を解析し、中止後3~6か月でも寛解を維持できた患者と再燃した患者のデータから中止の目安となるROMのカットオフ値を求める予定である。 基礎研究に関しては、滑膜細胞、軟骨細胞を用いた酸化ストレスの産生機序と骨軟骨破壊に関する基礎研究に関する実験を進めていく。患者由来の細胞を用いているためどうしてもデータにバラつきが生じてしまうが、サンプル数を増やすことで傾向をつかみたい。コントロールとしてヒト由来の軟骨細胞株、線維芽細胞株を用いた酸化ストレスの産生機序に関する実験も検討する。
|
Causes of Carryover |
2018年度に研究成果を発表予定であった国内、海外学会をキャンセルしたため、計上していた旅費が余ったことが考えられる。また、培養細胞を用いた酸化ストレスの産生機序、骨軟骨破壊に関する実験に使用を予定していた試薬に購入を延期したため、消耗品として計上していた費用が余ったことが考えられる。生じた次年度使用額は研究課題の最終年度である2019年度に計画している基礎研究に必要な試薬購入、検査費に補充したいと考えている。また、今年度配分額は主に滑膜、軟骨細胞を用いた酸化ストレスの発生機序、骨軟骨破壊に関する基礎実験に必要な試薬、実験器具などの消耗品に使用する予定である。
|
-
[Journal Article] Axonal damage is remarkable in patients with acutely worsening symptoms of compression myelopathy: biomarkers in cerebrospinal fluid samples2018
Author(s)
Takahashi H, Aoki Y, Nakajima A, Sonobe M, Terajima F, Saito M, Miyamoto T, Koyama K, Yamamoto K, Furuya T, Koda M, Ohtori S, Yamazaki M, Nakagawa K
-
Journal Title
Eur Spine J
Volume: 27
Pages: 1824-1830
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Journal Article] Surgical treatment for dropped head syndrome with cervical spondylotic amyotrophy: a case report2018
Author(s)
Taniguchi S, Takahashi H, Aoki Y, Nakajima A, Terajima F, Sonobe M, Akatsu Y, Yamada M, Furuya T, Koda M, Yamazaki M, Ohtori S, Nakagawa K
-
Journal Title
BMC Res Notes
Volume: 11
Pages: 500
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-